またも待機児童ゼロを延期。約束を破る政府に怒る羽生編集長
授乳室や託児スペースも設けられた会場には乳幼児を連れたママたちが次々と訪れ、ロビーにはかわいい声が響きます。客席はほぼ満席状態。午後3時前、熱気に包まれた会場で、日経DUALパートの幕が開きました。
司会の安田美香さんの紹介で登場したのはメディアコンサルタントの境 治さんとジャーナリストの治部れんげさん、そして日経DUAL編集長の羽生祥子の3名です。
境さんと治部さんは、日経DUALでもおなじみ (お二人の出会いや激論についてはこちらの記事をご覧ください「治部れんげの『怒れ!30代。』赤ちゃんを電車に乗せるなとか言うから、子どもが増えない」)。境さんは自身のお子さんは既に大学生ですが、保育問題への関心を持ち続け「赤ちゃんにきびしい国で、赤ちゃんが増えるはずがない」と書いたブログが18万の「いいね」を獲得。そのブログが書籍化され話題を呼びました。治部さんは小学生と年長の子どもを持つ現役DUALママ。自身の保活が終わった今もなお、待機児童問題を追い続けています。
「今回はあえて、『日本死んだら困るよね?』とコワいテーマを掲げてみました」と鼎談の口火を切った羽生編集長。「政府は2017年度末に待機児童をゼロにするという約束をしていましたが、先日これをあっさり破ってくれました。保育園でも子どもたちに『お約束は守りましょう』と教えますよね。それにもかかわらず、政府は何度も約束を破っているんです。私はかなり怒っています!」
羽生編集長のあまりの剣幕に苦笑いする境さんが、まずは現在の保活の状況を説明してくれました。その中でさらに羽生編集長がヒートアップしたのが境さんの言葉にあった「認可保育園に入るには、働いていないと無理」という現状です。
働いていないと保育園に入れないってどういうこと?
「ちょっと意味が分からないです!」と憤る羽生編集長。
境さんも「働きたいから子どもを預けるのが保育園なのに、預ける条件として『働いていますか』と聞かれるのです。昨年『保育園落ちた、日本死ね』というフレーズが話題になったとき、『死ね』はひどいといわれました。しかし、こんなふうに矛盾に満ちた保活を経験したら、『日本死ね』と言いたくもなるだろうなと思います」と納得がいかない顔です。