ファイナンシャルプランナーの中嶋よしふみさんが、住宅購入などお金に関するDUAL読者の疑問やお悩みに答える本連載、今回のテーマは、前回に引き続き「資産運用」。投資といえば「株式」をイメージする人も多いでしょうが、いざ始めるとなるとなかなかハードルが高いもの。「そもそも株式って何?」という疑問から、値動きの仕組み、実際の投資方法などの基本を教えてもらいました。

■「上」編
「資産運用の『入り口』って?10種の資産を覚えよう」

 前回の記事で、資産運用をする際には「自分自身が何をやっているのかを把握すべき」と書きました。

 そのために必要なことは自身が持っている資産がどんな種類の資産なのか、つまり「アセットクラス」を把握することです。

 上図にあるように9つの分類に商品(コモディティー)を合わせ、アセットクラスは10の分類がある、というところまで説明しました。今回はその中身について、それぞれの「資産の性質」と、どのような「保有方法」があるのか、2つの面を解説します。どうすればもうかるか?という話はいったん横に置いて、引き続き「自分が何をやっているかを把握する、何を持っているのかハッキリさせる」という方針で書いてみたいと思います。なぜなら、それが結局は損失を避け、利益を得る近道になるからです。

株ってそもそも何?

 「資産運用といえば株」というくらいおなじみの存在だと思いますが、ハイリスク・ハイリターンの運用方法としては最もポピュラーなものです。年金でも多額の資金が株で運用されています。すべての人が株式投資をやるべきとは思いませんが、株を理解することは資産運用全般を理解することに通じると言っても過言ではありません。

 そもそも「株」とは何でしょうか? 株式投資をすでに実践している人も、証券会社で働いている人も正確に答えられないかもしれません。

 シンプルに説明をすると、株を持つことはその会社の権利を保有することです。具体的には「利益・資産・経営」に関する権利です。発生した利益を受け取る権利、会社が解散したときに余った資産を受け取る権利、そして株主総会で投票する権利(経営に関わる権利=議決権)と、主に3つの権利があります。経営に関する権利を保有していることは会社を持っていることと同じですから、株主をオーナー(持ち主)と呼びます。