やりたい夫、任せられない妻

 意外に思われるかもしれませんが、夫側に「もっと家事育児をやらねば」という思いがあるのに、妻側は自分がやり過ぎている自覚がない、という場合もあります(エリアC)。この場合、夫から妻に働きかけることが必要でしょう。「実は夫は家事育児参加の意思があり、能力もある」と妻が知ることで、状況が変わる事例もあるからです。こちらについても後述します。

ワンオペ状態の自覚が夫婦ともにない

 最後に、エリアDは夫婦ともにワンオペ状態に気づいていない場合で、これはお互いが「それでいい」と納得しているのであれば、均衡状態にあるので良し、とすべきかもしれません。例えば、共働きとは言っても家計は夫が支えており、それに夫婦が合意したうえで、妻は半分趣味のように仕事をしている、収入は自分のお小遣い……という場合であれば、家事育児を一手に引き受けても不満に思わないかもしれません。ただし、実は妻が無理をしている状態であれば、イライラが募るでしょう。八つ当たりされた夫は意味が分からず困ってしまうかもしれません。

 このように、ひとことで「ワンオペ育児」と言っても、夫婦それぞれの自覚の有無によって「問題」なのか「選択の結果」なのか、大きく異なるのです。