厚労省がもっと本気で働き方改革に取り組むべき

駒崎 例えば横浜などは「待機児童ゼロですよ」なんてドヤ顔していますが、「保育園に入れなかったから、やむを得ず育休を延長しました」という人を待機児童としてカウントしていないじゃないですか。「保留児童」とかいう新しいカテゴリーを作ったりして。ですから、「待機児童」という今のデータって、フィクションになってしまっていますよね?

 そこは「女性が子育てしても働き続けるよね」ということを見越して、就業率を女性の数に掛け合わせれば数字が出るわけなので、待機児童みたいなウソっぽい指標を参考にしないで、上がった就業率から割り戻せばよいのではないでしょうか?

塩崎 現状は、育休を取っている方は待機児童のカウントから外しています。「確実に来年の4月から復職します」と決まっていても、育児休業中だと数に入れないということをやっていました。

 ですが、本当に復職したい人を待機児童としてカウントしないと、不正確なデータになってしまいますね。ですから、これは統一していかなければならない。電話で事情を聞くなり、直接会うなりして状況を判断したうえで、きちんと待機児童なのかどうかを判断してくださいということをこの4月からやっています。

 地方がそれぞれ作っている「認証保育所の定義」も、バラバラなんですね。定義を明確にしたうえで待機児童なのかを判断してくださいということを、今、やっています。多様な保育の形があって、定義がはっきりしていないんですよね。

駒崎 そこは本当に厚労省にリーダーシップを取ってやっていただきたいですね。働く女性が増えたのはとても良いこと。ただ、働き方が今のように超長時間労働で、親御さんが帰ってくるのがとても遅い状況が続くと、どうしても妻に子育ての大変さが寄ってしまう。女性はワンオペ育児でボロボロになっていってしまいます。

 それに伴い、保育園も長く開けなくてはならないわけで、これはもう働き方自体を大きく変えていかないと。ダメな働き方をしている会社にはダメですよと言っていかなくちゃならないと思いますし、そこはもっと本気で厚労省が「働き方改革」をしていかないといけないと思うんですが。