4月19日に行われたイベント「第一回 みんなの保育の日2017 ~子どもは社会で育てよう~」。「上」編に引き続き、今回は塩崎恭久・厚生労働大臣と、認定NPO法人フローレンス代表の駒崎弘樹さんが対談した模様をお伝えします。

■「上」編
保育の未来「子どもは社会で育てる」を語ろう

政府は待機児童問題にどう取り組んでいる?

 「ホリプロ保育園」えんちょー安田美香です! 4月19日に行われた「みんなの保育の日2017 ~子どもは社会で育てよう~」イベントで、えんちょー安田は司会を務めさせていただきました。イベント後半では、いよいよ塩崎恭久・厚生労働大臣が登場。認定NPO法人フローレンス代表・駒崎弘樹さんとの対談が行われました。

駒崎さん(以下、敬称略) 単刀直入にお伺いしますが、本当に政府は保育に対してやる気、あるんですか?

塩崎大臣(以下、敬称略) 第2次安倍内閣になってから、私が最初に取り組んだことは、待機児童問題でした。平成25年度「待機児童解消加速化プラン」を作り、保育園という受け皿を、民主党時代の2.5倍のペースで増やしてきました。

 また、保育士不足を解消するため、1年に1回しかなかった保育士試験を2回に増やしました。また、保育士の処遇が下がっていたため、その処遇を平成25年から上げ始め、以来引き上げ続けています。

 今年も新たに保育士の方全員を対象に2%の引き上げを行い、さらに保育士を7年ほど経験し、能力を認められた方には月4万円、中堅よりもう少し若い方で頑張っていらっしゃる方には5000円アップするなど、財源と相談しながらギリギリいっぱいまで引き上げています。

 実は消費税を引き上げることを前提に、7000億円を使って子育てに関する様々な計画がなされていました。その消費税の引き上げは2回延期されていますが、それでも「子育ては最優先」ということで、増税をしなくても予定通り7000億円を使って子育てについての改善を行っています。

駒崎 では、割と頑張ってくださっているんですね。

塩崎 「割と」じゃなく、ものすごく頑張っているんですよ。

駒崎 失礼しました(笑)。ただ、それでもこの春も待機児童はたくさん出ていますよね?

塩崎 今でも残念ながら2万人を超える待機児童がいます。なぜ減らないのか? それは、女性がこの4年くらいで5ポイントほど就業率が上がっていることが挙げられます。安倍内閣では、経済てこ入れに加えて、女性に活躍していただくように取り組んでいます。従って、女性がたくさん働くようになってきています。

 さらに待機児童が減らない要因としては、「保育を希望する人ならば手を挙げられるようになった」ことが挙げられます。以前は「休職中ではダメだった」「既に働いていないと保育園には入れなかった」。しかし平成27年度からは「保育が必要な人は手を挙げてください」という形で募ったところ、希望者がグンと増えたんですね。

 そういったことが重なって、待機児童がまだ2万人以上いるといった状況です。平成29年度末までに、待機児童をゼロにするようにと動いていましたが、30年度以降もゼロにするために頑張ろうということで、6月に新たなプランを作るべく動いています。

 野党からは「隠れ待機児童がいるじゃないの?」と言われますが、これは隠す必要なんてないのだから、出していこうと。それとともに市区町村でバラバラの運用をしているものですから、1つのやり方に統一することは難しいにせよ、これはできる限り一定の基準の中で考え方を統一してやってくださいとお願いしています