全く問題がない“完璧”な家庭はありません。子どもの成長とともに訪れる課題に全員が「チーム」として取り組み、自分たちらしい家族を形成すること――それが「ファミリー・ビルディング」の考え方です。幼児教育を通して6000人以上の子どもと接し、数多くの家庭をコンサルティングしてきた山本直美さんが、悩めるデュアラー世代へアドバイスします。新しい環境で新しい出会いがある新年度。子どもたちに仲良しのお友達ができるにつれ、親同士のお付き合いのシーンも自然に増えてきます。余計なトラブルを生まずに、上手にパパ友・ママ友をつくるにはどうすればいい? 山本直美さんに聞きました。

ママ友付き合いは無理をせず、付かず離れずの距離感で

 こんにちは。チャイルド・ファミリーコンサルタントの山本直美です。

 春は、入園・入学を迎えたり、進級してクラスが変わったりと、大人も子どもも新しい環境に慣れて落ち着くまで、心が揺れ動く季節です。

 お子さんが、クラスの中で新しいお友達ができるかな、と不安に思う気持ちと同じように、パパやママも新しくパパ友、ママ友になれる人はいるのかな、と少し緊張気味かもしれませんね。「自分から声をかけて連絡先を交換してみようかな」「ランチにお誘いしてみようかな」「子どもたちが仲良くなったので、週末おうちに遊びに来てもらえるようお誘いしてみようかな」……など、あれこれ考えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。一方で、親同士のトラブルについて耳にすることもあり、「パパ友、ママ友づくりは慎重に」と思っている方もいらっしゃるかもしれません。

 余計なトラブルを生まず、上手にお付き合いをしていくには、どんなコツがあるのでしょうか。パパ友とママ友では、その関係性や意味合いが大きく異なりますので、まずはママ友からお話ししたいと思います。

 まず、ママ友とのお付き合いにおいては、「相手との距離感を考える」ということがとても大切です。

 女性は、お付き合いの距離感がいろんな場面で気まぐれに変わりがちです。ママ友の場合、産院や自治体主催の赤ちゃん教室、児童館などで出会ってから、子どもの成長とともにずっと関係が続いていくお友達は少ないのではないでしょうか。

 子どもが赤ちゃんのころは親しくお付き合いしていても、2歳くらいからは社会性が発達し、子ども同士のトラブルも増えてきます。相手のお子さんに意地悪をされてばかりだったりすると、「どうしてうちの子は『イヤ』と言えないのかしら」と悩んだり、遊ばせるべきか遊ばせないでおくべきかを考えたりすることもあります。叱り方やおやつの与え方など、ママ同士の価値観の違いを感じることも増えてきます。

 多少のトラブルや価値観の違いは付き物ですが、あまりにストレスになる場合には、「NO」と言える関係か、どこまでの情報を伝えるか(嘘を言う必要はないけれど、余計なことは言わない)をよく考えましょう。「しばらく距離を置く」のも、時には必要なことです。そういうリスクがあることも含めて、「距離感の合うお友達に出会える」というのは奇跡的なことかもしれませんね。

 意識しておきたいのは、「1人のママ友や、1つのママ友ネットワークに集中しない」ということ。ママは、自分がそのネットワークに入れないと、子どもが寂しい思いをしてしまうのではないかと不安に思いがちですが、お子さんの人間関係はそれだけではありませんので、心配しなくてもいいと思います。

 実際は、寂しいのはママ自身なのかもしれませんね。でも、無理をすると続きませんし、逃げ道がないと苦しい人間関係になってしまいます。お友達やネットワークによって、それぞれの距離感を考えながら、うまくお付き合いできるといいですね。

次ページから読める内容

  • 周囲をよく観察すればトラブルにも巻き込まれない
  • 「子ども同士のトラブルに介入しない」など線引きを
  • 社内や趣味の仲間と緩やかな「パパ友ネットワーク」を作る

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