親の支援なしで生計を立てていても、親の経済状況が入学金免除審査に影響

駒崎 そして、結果は合格だった。受かってからの大学生活はどのように準備したのですか? 何かとお金がかかりますよね。

島田 まず大学寮をすぐに申請しました。都心から離れていますが、寄宿料は光熱費込みで1万1500円と格安で非常に助かります。

駒崎 大きいですね。都内で一人暮らしとなれば月7万~8万円はかかるでしょうから。

島田 はい。そこは事前に調べて、僕が親の支援一切なしで生活できる環境を整えていきました。入学時に一番大変だったのは20数万円の入学金ですね。授業料免除の選考基準よりずっと厳しく、学部生は親が生活保護を受けているか、児童養護施設出身でなければ入学金免除申請はできないと説明を受けました。実はたまたま前年の12月に親にボーナス支給があって数カ月生活保護支給が止まった時期があったんです。そのせいで僕は危うく申請できないところだったのですが、なんとか書類をそろえて通してもらいました。

駒崎 島田君は大学に進学しても実家の生活保護受給が止まらないようにするために「世帯分離」をしているけれども、大学の授業料や入学金免除の申請では「親が生活保護を受けているかどうか」が見られるということですね。

島田 はい。これは国ではなく大学側の制度ですが、学部生の場合、独立生計が認められないんです。僕は完全に親と離れて無支援で生計を立てていますが、それでも「親と関係なく生きています」とは認められないんですね。親の経済状況を見られるので必要書類を送ってもらう必要があるたびに親にも連絡をしなければならず、親との関係がよくないと苦労するでしょう。また、実家の固定電話がしょっちゅう止まるので締め切りが迫っているのに連絡がなかなかつかず、肝を冷やすことがあります。

駒崎 授業料免除の奨学金のほうはスムーズに取れたんですか?

島田 予約制で高3の時点で申請が通って、あとは大学に受かるだけの状態になっていました。

駒崎 進学してから、バイトはすぐに始めたんですか?