わたしは「それが知恵」なんて子どもに言いたくない

 「まともに話しても無駄やから」「男なんかアホやから」「喧嘩する体力がないから」「心のなかでは他人やから」「自分ががんばれば、丸くおさまるから」。

 パートでも専業主婦でも水商売でも正社員でも、昭和のおかんたちがこんなふうに言っているのを、いやというほど聞いてきた。それが知恵だと、さんざん諭された。そして当時、娘だった女友だちが母親になって、娘や息子におなじことを言うのだろうか。

 わたしはもう聞きたくないし、言いたくない。母親と父親はフェアな存在で、誰かが誰かのために犠牲になることを、当然にも、美談にもしたくない。子どもにそれを伝えたい。「せめてお墓は別々に」なんて言わないで(言ってもいいけど)。今を生きるために、自分のために。めっちゃしんどいけどがんばろう。人生は一度きり。フレシネを飲んで、今日もそんなことを考えた。

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