「写真を撮りましょうか?」だけでなく、「写真を撮ってください」も危ない?
――前回、テロ事件の被害に遭わないための心得についてお話を伺いました。今回は、盗難被害に遭わないためのポイントを教えてください。
前回も少しお話ししましたが、グローバルな基準で見ると、日本人は危機意識が低い。外国人は、日本人のことを、よく言えば「人を信じやすい」、悪く言えば「だまされやすい」と思っています。そのため、我々日本人は「カモになりやすい」ということを、まず肝に銘じておきましょう。
「オレオレ詐欺」同様、私たちは皆、「自分だけはだまされない」と思っています。ですが、相手は一枚も二枚も上手(うわて)だから、まんまとわなにはまってしまう。実例をいくつか挙げましょう。
例えば観光地で写真を撮っていたとします。親切そうな人が「よかったら写真、撮ってあげましょうか?」とニコニコ顔で近づいてきても、「お願いします」とカメラを渡してはいけません。そのままカメラを取られてしまいます。そういうときは、「No, thank you.」と丁寧に断ってください。どうしても自分を写したいのであれば、こちらから誰かに頼むのがおすすめ。そのとき頼む相手は、できれば高齢の夫婦がよいでしょう。
では、ここで問題。反対に「写真を撮ってほしい」と頼まれたときは、どうすればいいでしょうか。あなたなら、どうしますか?
――頼まれるのであれば……カメラを取られる心配はないですし、承諾して撮ってあげてもいいのではないでしょうか。
そう思いますよね。実はこれ、僕自身が実際に体験したことなんです。結論から言うと、危険な場合もあるんですよ。では、そのときのことをお話ししましょう。
観光地で、旅行者風の人に「写真を撮ってくれないか」と言われて快諾しました。相手のカメラを借り、撮影して、カメラを返そうとすると、その人は「こっちの場所でも撮ってくれますか。こっちのほうがいい感じなんで」と言いながら、少しずつ移動していきます。つられて僕もカメラを構えたまま移動すると、どんどん別の場所に移動していきます。
そのとき僕は「どこまで行くんだよ」と思い、周囲の景色を見てみました。すると、その人が招き入れようとしている場所は、簡単に入り込めて、入り込んだら道路から見えない場所でした。つまり、
1. 入りやすい場所
2. 見えにくい場所
という、犯罪が起きやすい場所の2つの特徴を兼ね備えていたんです(2つの特徴についての詳細は、「怪しい人に気をつけて」が子どもを危険に巻き込むという記事を参考にしてください)。
そこで「これは、おかしい」と思い、「もう行かなくちゃ」と言って、カメラを返しました。あのまま一緒に移動していたら、強盗被害に遭っていたかもしれません。
次ページから読める内容
- 外に出たときだけじゃない! ホテルの中でも油断は禁物
- 身の安全を守るために覚えておきたい2つのキーワード
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