街のジオラマに歓声。「ぼくのうち見つけたー!」

 「さぁ次のお部屋に行くよ」と山本さんが声をかけると、さっと靴を履いて整列する子どもたち。日々のお散歩を通して身についた団体行動はお手の物です。

 山本さんが次に案内したのは、販売センター名物のジオラマがある部屋。武蔵小杉の街を400分の1のスケールで作った大作です。鉄道や川も精巧に再現され、大人でも夢中になるほど好評なのだそう。

 子どもたちは白木でできたシンプルなジオラマをじっと見つめ、次の瞬間「わぁっ」と歓声を上げました。

 「先生、ここ、新幹線が走ってる」と目を輝かせる子。
 「ぼくのうち、ここ。19階なの」とうれしそうな子。
 「じいじとばあばのうちはどれ?」と先生に尋ねる子。

 ぐるっと一周して眺める子や、線路の行き先をじっと目で追う子。どの子も自分の発見や感動を保育士に伝えようと一生懸命です。

 そんな子どもたちに目を細める山本さんは「いつも見ている街だけれど、こんなふうに俯瞰してみる体験は初めてなのではないでしょうか。ものごとにはいろいろな見方があることを意識するきっかけにしてくれるといいですね」と話します。

 

「白木のままで色がついていないので、子どもたちには難しいかなと反応が心配でした。でも、とても興味を持ってくれていましたね」と山本さん
「白木のままで色がついていないので、子どもたちには難しいかなと反応が心配でした。でも、とても興味を持ってくれていましたね」と山本さん

先生と一緒に保育園や自分の家を探す子どもたち。建物の位置関係や線路の向きで、「ここがぼくのうち」「これは南武線」と理解しています
先生と一緒に保育園や自分の家を探す子どもたち。建物の位置関係や線路の向きで、「ここがぼくのうち」「これは南武線」と理解しています

子どもたちが集まるのはやはり、いつもお散歩をしている武蔵小杉駅周辺。先生といっしょにじっと見入っていました
子どもたちが集まるのはやはり、いつもお散歩をしている武蔵小杉駅周辺。先生といっしょにじっと見入っていました