自分の車が欲しい、家族でドライブを楽しみたい、というような思いが中心の場合は、車は単なる移動手段ではなく、「所有すること」が前提であり、所有の先に楽しみや便利さなどがあります。この場合、維持費用の損得勘定だけでは、車を所有するかどうか決めるのが難しく、家計を改善する際は、他の見直しを優先させ、最後の手段として車との付き合い方を検討することになるでしょう。

 蛇足ながら、わが家にはパートナーの車と私のバイクがあります。私がバイクに乗るのは、1年間のうち20日もないうえ、大型バイクのため、車と同じように2年に1回の車検があり、経済効率は悪いのが実情です。それが分かっていても、やはり「自分のバイクを持ちたい」という所有欲があるので、車やバイクを手放す生活は考えられません。

北海道・知床峠にて。愛車トライアンフでツーリング旅行
北海道・知床峠にて。愛車トライアンフでツーリング旅行

 私が「持つ派」だからということではありませんが(笑)、車やバイクなどを持つ場合は、家計のメリハリや買い替え費用のための貯蓄管理をしっかり行うことが欠かせません。

 また、お金のソントクだけでは割り切れない便利さや、普段の生活に車が必須かどうかなどの地域性、そして所有することによる満足度なども考慮する必要があります。

 買う前は買った後の維持コストを想定して、そして、手放す場合はその後の代替手段を考えて、行動するようにしてはいかがでしょうか。

 ――「下」編へ続きます。

(写真/PIXTA)