あらゆる子どもに“母の呪い”はかかっている
日経DUAL編集部 お二人は何年も前から、“母の呪い”という問題提起をされています。「実の親が呪いを…」と聞くとかなり強烈な印象を受けますが、具体的にはどのような状況を指すのでしょうか。
池内ひろ美さん(以下、敬称略) まず知ってほしいのは、“母の呪い”は全員にかかっているということ。小さな子どもは親が大好きですから、親が普段口にしている言葉や価値観に強く影響を受けます。その影響は親が思っている以上に大きい。つまり、親というのは、毒にもなれば薬にもなる存在なのです。そういう意味ではすべての親が毒親であり、母の呪いにかかるのは特別なことではありません。数年前にテレビ番組で、女性学研究家の田嶋陽子さんが「母が私に子どもを持つことを勧めてくれていたら、私だって産みたかったのに」と仰っていて驚きました。田嶋さんほどの女性でも、70歳を超えてなお、母の呪いが消えていない。
麻生マリ子さん(以下、敬称略) 毒が出やすいのは親子の相性の問題もあって、息子よりも娘、そして、“同性の一人目”である“長女”は最も毒を受けやすいんです。私も長女で、つらかった。
—— 異性の親子関係ではなく、母と娘に問題が起こりやすいのは、なぜですか。
池内 “母の呪い”は同じ女である“娘”にかかりやすいんです。そして娘は、大好きなお母さんからのメッセージとして呪いをそのまま受け取ってしまいます。
麻生 親が子を思う気持ちより、子が親を思う気持ちのほうが何倍も強いですから。
池内 特に、おおよその人格ができる8歳~10歳くらいまでは、子どもにとって親は絶対的な存在です。
—— 息子に呪いがかかるのは、どういう場合ですか?
池内 分かりやすいのは、「お金がすべてだ」と母親が言って育てられたために、お金に執着し、社会的には成功しても、お金しか信用できない男性に育つ例があります。また、「あなたは横暴な父のようにならずに優しい男になってね」、という呪いをかけられ、妻の言いなりになる男性に育つ例もあります。DUAL世代の男性は、高度成長期に長時間労働で働く昭和型父親を内助の功で支える母に育てられた人が多い。「女性が強く、男性が優しくなった」「男子の草食化」ということが昨今よく言われますが、こうした親から子へ刷り込まれた価値観による影響も少なからず関係していると思います。
母娘問題研究家の麻生マリ子さん(写真左)と夫婦・家族問題評論家の池内ひろ美さん(写真右)
—— 麻生さんは、”母の呪い“を6タイプに分けています。
麻生 実際のところ、この6タイプは、どれか一つだけに当てはまるというよりも、複数併発している場合が多いです。
次ページから読める内容
- 毒親との上手な距離の取り方
- 母の呪いを乗り越えるための意識改革
- 毒親体験を乗り越え、自分らしく子育てするために
- パートナーの母が毒親だったら・・・
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