常に「なぜだと思う?」と問いかけるようにしていた

――優秀なお嬢さんですね! 勉強もかなりできるのでは…。何か気を付けてきたことはありますか。

遊佐:それが、何もないんですよ。小さいころから、勉強しろと言ったことはありませんし、成績が下がったから塾に行きなさいと言うこともありません。常に自主性に任せています。一つだけ、常々伝えてきたことは「勉強はできなくても英語力は身に付けなさい」ということでした。これは、私が20代で2~3回、米国横断一人旅をした経験からです。

――きっとそうした意識もあって、留学にチャレンジされたのでしょうね。

遊佐:あとは2~4歳のころは特に「なぜ東京タワーって赤いんだろうね」とか「あの走ってくる車はなぜ黄色いんだろうね、なぜだと思う?」と、常に「なぜだと思う?」と問いかけるようにしていました。それに対する答えを都度、話しながら。

 あるいは「ケチャップはなぜ、垂れないんだろうね。蓋はどういう仕組みになっているんだろうね」といった、「なぜなんだろうね」「そうなんだね!」ということは、常に会話に組み込んでいました。そうすることで、なぜ勉強しなければならないんだろうということを考えただろうなと思います。

 偉そうなことは言えませんが、一流大学を出て一流商社に就職しなさいとも言いませんし、父親に似て歌唱力があるので歌手でも(笑)、アニメでも役者でもなんでも好きな道に進みなさい、その代わり責任は自分だからと、小さいときから教えてきました

――なぜを考えさせて、自分の好きな道を選べるようにしてきたんですね。

遊佐:まぁ「なぜ」の答えを調子に乗って間違えて教えて、中学生くらいから逆に説教されるようにもなりましたけど(笑)。ただ今回の短期留学も、決まったときには行ってらっしゃいと即答しましたよ。留学エージェンシーからは「寛大なご両親ですよね」と言われましたが、もちろん心配はしますが、自分で決めたことですから。本人がやりたいと思う可能性は自由に広げられるようにしてあげたい。そのための妨害だけはしてはいけない。つまり経済的に苦しくなってなんていうことがないようにはしようと考えています。

米国横断旅行をしていた20代のころ。ニューヨークで撮影
米国横断旅行をしていた20代のころ。ニューヨークで撮影