ソニーミュージックのキッズ専門ブランド「KIDSTONE(キッズトーン)」と株式会社Zepp ライブ企画制作の親子フェス「Hanno Green Carnival 2017 ~マナブ アソブ ツナガル~」が5月6日(土)・7日(日)に開催されます。駿河台大学(エリア ヤルヴィ)、あけぼの子どもの森公園(エリア ヨキ)という、埼玉県飯能市にある緑あふれる施設で、子どもと一緒に自然を感じながらコンサートやワークショップに参加できるということで注目のイベントです。

このイベントのワークショップの一つ、「親子でねんど道」(5月7日/完売)に登場するのが、中学1年生と小学1年生のパパでもある片桐仁さん。片桐さんといえば、日経DUAL読者にはNHK Eテレの朝の番組『シャキーン!』のジュモクさんとしてもおなじみの俳優さんですが、舞台でコント作品を発表する2人組のラーメンズとしても活動するなど、幅広く活躍しています。そんな片桐さんには、もう一つ、ねんど作品を発表する造形作家としての顔があり、『親子でねんど道』(白泉社/2016年)を出版したり、ワークショップを開催したり、個展を開催したりと大忙しです。

そんな片桐さんに、親子でのねんどの楽しみ方から子育て、夫婦関係についてまで、お話を伺いました。

図工は苦手な子にはただツライ

片桐仁さん
片桐仁さん

――まず、「親子でねんど道」ワークショップについて伺いたいのですが、ねんどで何かを作ろうとなると、美術が苦手な身からすると、子どものために、コッソリ練習していったほうがいいのだろうか…と思ってしまうのですが。

片桐仁さん(以下敬称略):やはり割と、親御さんのほうが構えていらっしゃることが多いんですよね。でも今回もそうですが、ねんどのワークショップは「ゼロから何かを作る」のではなく、「何か=土台にねんどを盛る」のがポイントなんです。ゼロから作るとどうしても上手・下手が出やすいですし、乗り気かどうかでも差が出やすい。ところがねんどだと、そんなに差が出ないんです。デッサン力のあるなしで変わる部分はあるとはいえ、カラーねんどは色を混ぜるところから始めるので、いろんな色ができる喜びが誰でもすぐに感じられます。土台には両面テープを貼るので、全部ねんどで覆わなければならない…という目標を作ると、とりあえず考えるより先に手が動く感じもあるんです。何を作っていいか分からない子もいるかと思うんですが、ワークショップで使うセットの中には目玉シールが入っているので、この目玉シールを貼っただけで、ポイントをそこに持ってくることができるようになる。誰とも違う、何か分からないものができるんです。

 僕は、図工が得意な子どもでしたが、図工は苦手な子にはただツライ時間なんですよね。美術の教育実習に行ったときに感じましたが、絵を描くことが好きな子と嫌いな子の違いは、見たものを絵に描けるか描けないかなんですね。もちろん、うまく描かせるための教育もありますが、それよりも手で触って色を作って、そのねんどで何か作っていくという原始的な作業をすることで、何か見えてくるものがあると思うんです。

――大人はつい、完成形がしっかりしたものを作らなければならない! と思いがちかなと……。

片桐:完成形はないというか、ワークショップで使うねんどは、シャープな造形にはならないんです。立体的なデッサン力よりも色や土台の形に出来上がる作品が引っ張られていくので、あまり「上手、下手」と考えなくて済みます。

 色作りだけでも勉強になりますよ。赤青黄色で茶色を作るにはどうしたらいいのかとか。赤めのオレンジを作ってほんのちょっとの青を足すとか。マーブル模様もいいんですよ。2色までは想像できるけれど、3、4色のマーブル模様ってなかなかうまくいかないんです。手元でキレイにできても、土台に貼り付けると違う色になってしまったり。だからこそ「上手にやらなければ」という方向ではなく、脳を活性化する方向で楽しめると思います。これまでのワークショップに参加してくれた人たちも、子どもたちより親御さんやおじいちゃん、おばあちゃんが夢中になっていたりしましたから。