低学年で務めたほうが賢明? PTA委員の主な仕事内容
PTA(Parent-Teacher Association)とは、児童や生徒のために保護者と教職員で組織された団体。組織運営に必要な様々な活動を、各保護者が協力し合い、無償奉仕で行います。強制加入でないにも関わらず、「親全員が入るもの」という認識が一般化しており、新しいクラスでの初めての保護者会では、自己紹介をした後にPTAの役員決めをするのが毎年の恒例となっている学校も多いでしょう。
学校ごとに「1クラスから、委員を○人選出する」「6年間のうち、1度は何か委員・役員を担当する」などの決まりがあるため、やりたい人がいないときでも必ず“誰か”を選出するのが通例。立候補、じゃんけん、くじ引きと様々な決め方がありますが、学校によってはあくまでも“保護者の自主的な参加”という指針のもと、「誰も『やります』と手を挙げる人がおらず、人員が決まるまでシーンと教室が静まり返り1時間以上が過ぎた」というケースもあります。
各クラスから選ばれるPTA委員は、どのような役割を担うのでしょうか。名称が違ったり、役割分担の範囲には差異があったりしますが、一般的な内容は以下となります。
PTA役員・委員の主なポジションと役割
■本部役員(執行部)
会長、副会長、書記(庶務)、会計、会計監査
■専門委員会
クラス代表委員…クラスのとりまとめ。担任と保護者をつなぐパイプ役。学級連絡網の先頭となるほか、保護者懇談会や親睦会の幹事を担当
広報委員…年に数回発行されるPTA広報誌の作成
文化厚生(教養)委員…運動会でのPTA競技、給食試食会、文化教養講座などの企画運営
校外(地区・地域・安全)委員…登下校の安全パトロール、警察と連携した自転車安全教室、学校開放、ラジオ体操などの運営
ベルマーク委員…ベルマークを収集、集計などを担当
卒業準備委員…卒業式で配られる記念品の選定や謝恩会がある学校ではその手配など
PTA委員になると、PTA役員会や専門委員会の活動などで平日に仕事を休んで参加しなければならない場合も出てくるのが、働く親にとっては悩ましい点。しかし、『だれも教えてくれなかった ほんとうは楽しい仕事&子育て両立ガイド』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)の共著者で、夜間保育&学童保育所を運営する認定NPO法人あっとほーむ代表・小栗ショウコさんは、「PTAでは学校ができないことを、保護者が子どものためにコツコツと活動してきています。そのおかげで子どもたちが学校生活を楽しめているのだと思えば、6年間で一度は役員を引き受けよう、と前向きに考えられるはずです」とアドバイスします。
「1年生より6年生は色々と行事があって、役員の時間的負担が大きくなりがち。どのみち担当しなければならないなら、早めに手を挙げてしまいましょう」
何委員は時間の融通が比較的効きそう」などという情報も、ママ友や先輩ママから入手しておくのも賢い方法。何かと敬遠されがちなPTAですが、実際に関わってみると、「意外と楽しい」「大変だったけれど、何とかなった」と感じる人が多いのもの特徴です。
2児の母であり、リクルートエグゼクティブエージェント・エグゼクティブコンサルタントの森本千賀子さんは、長男が小4のときに『安全対策に関する委員』を担当。「具体的な役割を担って、学校生活に貢献することの喜びはもちろんのこと、やる前は分からなかった利点が少なくとも3つありました」と次のように振り返ります。