大事なのは、自分にとって大事なことを諦めないこと

 両さんはたぶん「ワーク・ライフ・バランス」などという言葉は知らないはずですが、自然に実践しているのです。大事なのは、働きながらも自分にとって大事なことを諦めないこと。たとえ周りに何と思われようとも、自分はそれ(例えばお花見)をしたい、と主張し、共感してくれる人を集めること。

 恵まれた制度と愛情を注げる家族を持っていても、働き方の希望がほとんど通らない「良い会社」勤めの日本女性たち。彼女たちからは「もやもやする」という言葉をよく聞きます。会社では子持ちだけど優秀な女性社員として、家庭では忙しくても家事育児を一手に引き受ける良い母、可愛い妻として生きる……。皆から愛されるように生きることになれたワーママたちには、「両さん」の単行本や総集編(毎月コンビニで新しいものが出ています)を読むことをお勧めしたいです。

 仕事の段取りも家事育児も、たまには放っておいたらいいのです。「お花見のために仕事を休ませろ!」と主張してもいい世界を見ることで、あなたにとって必要な、本当の働き方改革が見えてくるはずですから。

働かない“オッサン”と、働く時短勤務女性のどっちが偉い?

 例えば、なぜ、子どもを明るいうちにお迎えに行ってはいけないのでしょうか? なぜ、働かない“オッサン”が放置されている職場で、単に時短勤務だというだけで、肩身の狭い思いをしなくてはいけないのでしょうか? 「いいかげんにしてください。働いてないのはどっちですか?」と、いつか言える日がきますように。両さんの働き方、人生の楽しみ方は、いつか、あなたが職場で言いたいことを言える日がくるまでのお守りになるでしょう。