優秀な人は、遅れたマネジメントの組織から離れていけばいい

 私自身は会社組織を離れて4年目に入り、無用な管理を受けない自由の身です。仕事は成果で測られますし、価値観が合わない人とはそもそも一緒に働きません。でも、子育てしながら働き続けている友人たちが、相変わらず「オフィスに長くいる人が偉い」文化の中「単に早く帰るというだけ」の理由で評価を下げられる実状を見聞きして、怒りを覚えることは多々あります。

 市場主義を信奉する私は、こういう遅れたマネジメントの組織からは、優秀な人が離れていけばいい、と思っています。マネジメントを変えることにエネルギーを使うのもいいですが、人生は短いです。優秀な人が先進的な組織にどんどん移っていき、企業の競争力に差がつけばいい。早い話がダメな組織はつぶれることによって淘汰されればいいのでは、とやや冷めた目で見ているため、最近、怒ることが減ったのかもしれません。

人気漫画「こち亀」の両さんは実は優れたロールモデル!?

(c)秋本治・アトリエびーだま/集英社
(c)秋本治・アトリエびーだま/集英社

 もし、読者の中に、自分の組織を変えたい、働き方を変えたい、より新しい発想で事業を考えられる人を増やしたい、と本気で思う方がいらっしゃるなら、ビジネス書ではなく少年漫画が参考になると思います。特にお薦めなのは、団塊ジュニアの愛読者が多かった『週刊少年ジャンプ』に連載されていた『こちら葛飾区亀有公園前派出所』。40年以上連載が続いた人気作品です。

 ご存じない方のために、簡単に説明しますと、タイトルの通り警察の派出所を舞台にした漫画です。主人公は、この派出所に勤務する両津勘吉(りょうつ・かんきち)という巡査長。勤務地のある東京の下町で生まれ育った独身男性です。

 DUAL読者層の多くとは異なる職種、しかも独身男性が主人公の漫画がどうして「働き方改革」の参考になるのでしょうか。それは主人公「両さん」の働き方・生き方が、自分の欲求と希望に正直で、とても革新的だからです。