10時からの回は、0歳ベビーも大歓迎

 うれしいのは子連れ大歓迎なところ。各開催日のホールAで最初に行われる10時からのコンサートは、0歳の赤ちゃんも入れる。また、18時30分よりも前の日中のコンサートはすべて3歳以上なら、それ以降の時間帯のコンサートはほとんど6歳から入れるようになっている。

 もちろん、虎も生まれて初めて行ったクラシックコンサートは、これ。(以前、このコラムでも書いた)。特に虎が0歳のころは、親子でお出かけしようとしたら、オムツ交換場所はあるかとか、ベビーカーで行ってもいいかとか、そもそも子連れはOKなのかとか、とにかくチェックポイントが多過ぎて憂鬱だった。そんなとき、会場前のベビーカー置き場にズラリと並んだベビーカーを見て、「あぁ、ここは赤ちゃんウエルカムって言ってくれるところなんだな」と涙が出てきたのを覚えている。しかも、敷居が高いというイメージを持たれがちなクラシックコンサートで。「これは世界に誇れるなぁ。日本もなかなかやるじゃん」、と思った。

 そして、ドキドキで参加した初コンサートは、NHK・Eテレの赤ちゃん番組の公開録画みたいな感じで、そこここから赤ちゃんの泣き声が。司会の方の「赤ちゃんと一緒の人はどれくらいいますか? 高い高いしてみてくださ~い」という呼びかけに応じて、「はーい!」と、あちこちで赤ちゃんが高い高いされる光景は恒例になっている。この様子はなんともほっこりしていて、このシーンを見るだけでも、赤ちゃん連れは特に「来てよかった」って思うに違いない。

「静かにして!」と言う必要がない、ベビー連れに優しい演奏会

 指揮者が登壇して、オーケストラが演奏を始める瞬間に、通常のクラシックコンサートのように会場が「シーン」とならないのもご愛嬌。大声で泣き出してしまう赤ちゃんもいるので、親が一旦外へ連れ出して、落ち着いたらまた入って、という人も多い。もちろん子連れではないお客さんもたくさんいらっしゃるので、そこらへんは配慮が必要。来場者アンケートでは、「赤ちゃんの泣き声が気になる」というお声もあるらしいが、でも「頑張って続けてほしい」という応援コメントもたくさん来るという。そんな周囲のご理解あってのことというのは、親として忘れないようにしたいと思う。

 虎の場合は、音楽を楽しんでいるのかどうかはよく分からなかったが、曲が終わって皆が拍手をすると一緒に拍手をするという行為は楽しんでいたようだ。1時間のコンサート中、私の膝の上、夫の膝の上と渡り歩きながら、それほどぐずらずにデビューを果たした。以降、1歳、2歳、3歳と毎年GWは参加している。相変わらず、音楽を楽しんでいるかどうかは定かではないが。

 親が楽しいのは確か。驚くべきことに、クラシックと対極にあるヘヴィメタをこよなく愛する夫さえ、文句を言わずに参加している。