根底にある生きづらさ・バランスを見直し、自分の状況を知る

―― 依存に走らないために、どうやってストレスマネジメントをしたらいいでしょう。

 「依存症の背景にあるのは、生きづらさ。自分には関係ないと思っている人もいますが、誰もがなり得る病気です。依存には理由があります。寂しさを埋めるためとか痛みを消すためとか、なぜかを知る。もしストレスを感じているなら、状況を書き出してみてください。仕事・生活・家庭・友人・趣味などのバランスは取れていますか。何があなたを苦しめているのでしょうか」

 「おなかがすいてる、イライラする、寂しい、疲れているといった『状況』がストレスを招くと知っておくことです。考えられなかったら、歩いてみる。体を動かすと、すっきりします。ストレスを感じやすい状況や危険信号、自分の限界を知ることも大事。そして自分を褒めてあげること。10できて当たり前ではない。私も以前は、10のうち2ができないと、バツをつける人でした。今は『8もできた』とリフレーミングするのです

―― 今の容子さんはどんな生き方をしていますか。

 「刑務所や少年院、学校で、自分を好きになるというテーマで話しています。何か悩みがあったら誰かに話してみて、自分に一生懸命になろう、と呼びかけます。私自身は、表現する手段が増えました。お菓子作り、ボクササイズ、山に行くなど趣味がたくさんあり、それを通じて話せる友達もできる。やりたいと思って行動したら、自分が変わった。今は大型バイクの免許を取りたいです。親との関係も良くなりました。私たち回復支援施設の目標は、『マイナス10の人生から、プラス10の人生へ』。依存症に限らず、生きづらさやストレスを抱える女性たちを勇気づけ、サポートしていきたいです」