途中で出ていってしまう人もいるけれど、いつでも戻ってきてほしい

―― 生活にはいくらぐらいかかりますか?

 「家賃、生活費、プログラム費用などを総合すると月に20万円ぐらいです。生活保護の方も利用できます。1日につき千円の自由になるお金があります。心身のメンテナンスも大事。歯科・婦人科・内科・整形外科・皮膚科など、必要な医療にかかって、入所中に整えてもらう。『歯がボロボロで笑えないけれど歯医者が怖くて病院に行けない』という場合もあり、スタッフが一緒に行っています」

【フラワーガーデンの特徴】

● アメリカの治療共同体施設のメソッドに基づいた施設生活
● 依存の背景にある「生きづらさ」を見つめるプログラム
● 社会復帰を目指し、就労に向けた練習の場も。グループ施設で働くことも可能
● 弁護士が連携し、司法の問題もサポート
● 当事者が状況を受け入れない場合、家族と当事者の間に介入
● 苦しむ家族の支援や、家族会も
● スポーツやアート、音楽などで自身を表現し、心を満たす体験をする
● 再発防止の手法を提供
● 学校・地域団体などでの講演、市民向け「女性の依存症と生きづらさ」のセミナー開催

―― 挫折してしまう人はいますか。

 「途中で出ていってしまう人もいますが、他の利用者には『そういうときは、いつでも戻ってきて。相談して』と話します。入所の際、家族からの相談が多いんです。本人が納得していない場合は、スタッフが介入して話を進めます。2年ぐらいで入所を終えるのが目標で、長期・短期で目標を見直していく。司法の問題もありますから、弁護士と連携していますし、就労支援プログラムも用意。ハローワークで仕事を探し、アルバイトから正社員と段階を踏んで資金をためてから独り立ちする人もいます」