“精子力”を高める日常生活のコツ
最後に、精子力を高めるための日常生活のコツをご紹介します。
① 禁煙しよう
血管が収縮して血流が悪くなると、勃起不全を招く。また、精子の数や運動性のいい精子が減り、酸化ストレスで精子のDNAが損傷する恐れもある。
② 睾丸を「熱」から守ろう
ブリーフよりトランクスを
精子は熱に弱く、精巣(睾丸)の機能を保つためには35度が理想的だが、これより高い温度だと精子をつくる造精機能が低下する。ブリーフは股間に熱がこもりやすいため、風通しのいいトランクスが最適。ぴったりとしたジーンズも長時間はくことは避けたい。
ノートパソコンは膝の上で操作しない
ノートパソコンを膝の上で操作すると、パソコンからの放熱などにより、陰嚢の温度上昇を招く。どうしても操作をしなくてはならないときは、5分程度にとどめよう。長風呂やサウナもほどほどに。
③ 自転車に乗るときは股間の圧迫を避けよう
長時間、前傾姿勢で自転車に乗ると、サドルの圧迫によって男性器付近の血流が悪くなり、EDや精子の減少、運動率の低下を招く恐れがある。圧迫を避けて、血行を促そう。
④ 禁欲しない
産婦人科では「排卵日の3・4日から禁欲」と指導されることがあると聞くが、禁欲は1・2日空ければ十分。精子は毎日作られるので、射精をしないと古い精子がたまる。精子のDNAの損傷率が高くなるなど、精液全体の質を低下させる。
⑤ 育毛剤に気をつける
AGAの治療薬のうち、フィナステリドを主成分とする治療薬には、男性ホルモンの作用を抑える働きがある。また、副作用として性欲減退や精子数の減少、EDなどが起こることも。このタイプの育毛剤は避けたほうが無難。
35歳を過ぎてから子どもを望むのなら、自然妊娠が望める精子の状態なのか、まずは検査を受けてほしいと思います。専門医がいる「男性不妊外来」なら、精液検査をはじめとする詳しい検査が受けられ、診断・治療が可能です。
(取材・文/中島夕子)