—— それは、古い価値観の「父親の威厳」とは別もの、ということですね?

高橋 そうですね。威厳とは違う、それぞれの新しい父親像と言ってもいいかもしれません。もちろん、仕事はバリバリやるけれど、育児・家事も当たり前のように他力本願ではなく、ママと一緒にバリバリやる。そのうえで家庭のこともリードしているというのが、今の時代、パパとしてカッコイイと思うんですよね。

 子育てに関する制度のことなどは他に任せて、僕は、そういった雰囲気づくりの部分で活動していきたい。子育ては楽しいし、仕事を犠牲にするといった話ではなく、仕事にもつながるんだよということを訴えていくことが大切だと思っています。

自分のキャパで努力するパパこそ、スーパーダディ

—— 高橋さんの考える理想の父親像である「スーパーダディ」というのは、どういうものでしょうか?

高橋 スーパーマンから来ているんですけど、スーパーマンみたいに何でもできちゃうパパですね。とはいえ、仕事もバリバリ、育児・家事もバリバリ全部やるっていうのは、難しい。僕もそうですが、絶対にどこかがおろそかになってしまうものです。

 それでも、自分のキャパのなかで、できるだけこなせるようになりたいと努力している人。それが、スーパーダディです。誰も完璧にはできないので、いつまで経ってもスーパーダディにはなれない。でも、そういう気持ちを持って生活しようという気持ちを込めている。

 一緒に父親としての意識改革をしながら、「みんなでスーパーダディになろうぜ!」ということですね。ちょっと軽く聞こえてしまうのかもしれませんが、それくらいのほうが、世のパパたちにとっては入りやすいのかな、と考えています。

—— パパの意識改革を今後も推し進めていくべく、活動していくということですね。

高橋 やはり、目指すところは男たちの意識改革ですから。育児や家事はママがするものだという固定観念が根強く残っている世の男性たちに、育児も家事も楽しいよっていうことを、いかに伝えていけるかですね。そして、育児も家事もバリバリやるパパはカッコイイといったことを伝えていくのがSDAの役割だと思っています。

 これまでにも、緩く家事をする「ゆる家事」であるとか、朝は身支度で忙しいママに代わってパパが作ろうといった「パパ弁当」のイベントなども開催してきましたが、そういったことを発信できる場をこれからもっとたくさん作っていきたいですね。

 僕は、深夜にSDAのメンバーたちとフェイスブックのメッセンジャーで子育てなどの情報交換をしたりしています。会話をしていると、それぞれに家族構成も違いますし、おじいちゃん・おばあちゃんのサポートがあるのかといった違いもある。

 それでも、今までとは違う、それぞれの家族に合った子育てをしようとする気持ちを持つパパたちがつながっていくことが大事なんです。それは仕事への参加、育児への参加、家事への参加。この3つに関して、少しでも前向きにやっていこうと意識していれば、誰でもスーパーダディなんだと思います。

 もっとパパたちが構えることなく、気軽に育児・家事に参加できる世の中になるといいですよね。「ウチのパパ、なんだか急に週に何回か弁当を作るよって言い出しちゃった」とか、「いつも週末ダラダラしていたパパが、突然、キャンプに行こうって言い出して、全部調べて予定を立てていてビックリした」とか。そんな会話がママたちの間で増えてくるようになれば、何かが少し変わっていくのではないかと思います!