こうあるべきといった、これまでの父親像に縛られることなく、それぞれの家族にとって最適なカタチを模索しつつ、妻と共に自分らしく育児を楽しんでいる。そんなパパたちに、子育て中のパパライターがインタビューするこの連載。自身が追い求める理想の父親像と共に、育児や家族への考え方、仕事観などについてお話をお聞きします。

 第1回目は、TBSテレビの番組プロデューサーという多忙な日々を送りつつ、パパが積極的に子育てに参加することを提案する「スーパーダディ協会」代表であり、『スーパーダディ ビジネスマンの勧め』の著者でもある、高橋一晃さんです。

(上) 妻に思う存分働いてもらったほうが、家のためになる
(中) 子育てや家事に積極的なパパは仕事もデキる人が多い ←今回はココ
(下) 子育ても仕事と同じ “人ごとではない”という意識を 

 中編も「おんな子どもが寝たときから、男のゆる家事が始まる」「どんな家事でも、自分ならではの方法を見つけるだけでも、楽しくなる」「仕事だけやっていればいいと思っているパパが、あまりにも多過ぎる」など、子育てと仕事をバリバリ両立してきたパパ当事者だからこその言葉が満載です。

妻と子どもが喜ぶ姿がクセになる

—— お子さんが生まれる前は、晩ごはん作りなどは奥さんが担当されていたのですか?

高橋一晃さん(以下、敬称略) 基本的には、妻が作ることのほうが圧倒的に多かったですね。でも、僕も料理が嫌いではないので、たまに作っていました。家事についてはある程度、分担をしていて、皿洗いは僕が担当。でも洗濯物を畳むのは苦手だから、そっちは頼むよ、という感じ。

 料理は嫌いではないけど、僕が作るとおいしくないんですよ。あまり、研究してもいなかったし、独身時代は同じモノを作ればいいやといったタイプだったので、バリエーションも少ない。3食続けてチャーハンとか(笑)。

 でも、今はもう、家事を楽しめるようになったので、メチャメチャ新しいメニューを開発していますよ。つい先日なんか、妻が「春菊が食べたい」と言い出したので、鍋にしようかとも思ったのですが、クックパッドで調べてみたら、春菊と鶏肉のゴマあえのレシピを発見。作ってみたら、すごくおいしかった。

 失敗したとしても、またチャレンジしてみて、おいしくできたらレパートリーに加えていく。今は料理も楽しんでいますね。

 作ってみておいしかったときに、子どもはもちろんですが、妻が喜んでくれる姿を見ると、すごくうれしいんです。ちょっと、女子的な感覚があるのかなあ、などと思ったりもしますが、今はクセになってきています。

高橋一晃さん パパが育児・家事に積極的に参加することを提案するパパ集団「スーパーダディ協会(SDA)」代表。TBSテレビのプロデューサーとして『王様のブランチ』などの番組を歴任し、現在は『アッコにおまかせ!』を担当する。仕事柄、多忙な毎日だが、自身の理想とする父親像、スーパーダディを目指そうと努力を続ける一児のパパ。SDAの活動を通してパパの意識改革を進める傍ら、『スーパーダディ ビジネスマンの勧め』(双葉社刊)を上梓。

男が家事を楽しめるようになる方法って何だろう?

—— 特に家事に関しては、最初は仕方なくやっていたのに、それが楽しくなってきたのは、なぜですか?

高橋 やらなきゃいけないなら、「楽しもう」ということですね。「男が家事を楽しめるようになる方法って何だろう?」と考えたことがあって、そのときに思い浮かんだのが、「ゆる家事」です。

 のんびり、自分のペースで家事をしよう、と。音楽を聞きながら家事をしよう。そうやって考えていくと、洗濯もお皿洗いも、ワイン飲みながらでもできるじゃないかと発想を広げていきました。