入学後、わが子が幼児返り? 帰宅後、質問攻めは要注意
小学校に入ると、環境が保育園や幼稚園から一変します。新生活には期待と不安が入り混じりますが、具体的に親は子どもたちのどういったところに気を付けておくといいのでしょうか?
「新しい学校に新しい先生、新しい友達。しかも、共働き家庭であれば、学童もある。何もかもが新しいから、入学したばかりの子どもたちはすごく緊張しているものです。すごく不機嫌になっているとか、疲れ果ててすぐに寝てしまうとか……。とにかく疲れているので、ダラダラ、グズグズするものだということを、まずは頭に入れておいてほしいですね。疲れているのだから、家に帰ったら、まずは子どもを休ませてあげるようにするのが最優先です」とアドバイスするのは、教育評論家の親野智可等さん。
保育園では一番年上だった年長から、小学生に入るといきなり最年少になります。そこで、ちょっとした幼児返りのような様子が見られるのもこの時期の特徴と、親野さん。
入学後にありがちな子どもの変化
□ だらだらと過ごしたがる
□ 疲れてすぐに寝てしまう
□ いつも不機嫌そう
□ 何かと親に甘える
□ 急に怒り出す/泣き出す
「保育園では年中・年長のお手本として、割と生活態度面でも気持ち的にもしっかりしてくるものですが、入学すると6年生をはじめ上級生が何かとチヤホヤしてくれて、色々と面倒を見てくれるようになるんです。そこで、年長のときにはできていたことが、できなくなるといった面が出てくるケースがよくあります。しかし、それもごく普通のこと。『これで大丈夫なんだろうか?』などと心配することはありません」
子どもを心配して、親は「今日は、どうだったの?」「ちゃんとお話聞けた?」などと学校生活の様子を矢継ぎ早に聞いてしまいがち。しかし、「家に帰ったらまずは子どもを休ませてあげるようにするのが最優先です。学校のこともあまり根掘り葉掘り聞かず、リラックスできるようにしてあげてほしいですね」と親野さんは言います。とはいえ、子どもの様子を見て元気がありそうであれば、さりげなく話を聞いてみても。
「このとき、親は共感的に話を聞いてあげるということが非常に重要です。すると、友達がどうのこうのとか、先生に叱られちゃったとか、子どもは色々と愚痴をこぼすこともあるでしょう。そういうときにしてはいけないのが、『ちゃんと先生のお話を聞いてないからでしょ』などと突き放すような反応を親がしてしまうこと。『ダメでしょ、それじゃあ。もっとしっかりしなきゃ!』などと門前払いをしてしまうと、子どもは話せなくなってしまい、それ以上の情報が入らなくなってしまいます。『そうだったの、嫌だったね』などと、“共感”しながら聞いてあげる。すると、子どもはたまっていた愚痴をこぼすことができますし、親に聞いてもらって共感してもらえると気持ちがスッキリして、ストレスを解消することができます」
小学生になると、1クラスの人数が増え、保育園や幼稚園のときよりも先生の目が行き届かなくなるのも親として心配な点。「だからこそ、子どもの話をしっかりと聞いて情報を仕入れることが大切です。話を聞いてあげることで、『友達関係が心配だな』とか、『先生との関係が心配だな』など、親としてどうすればいいかが見えてくることもあります」
親も新しい環境に順応していこうとする姿勢が大切
先生とのコミュニケーションも重要なポイント。「気になることや心配ごとがあるなら、連絡帳に書いたり、直接、先生に電話をして聞いたりしたほうがいいでしょう。 ただ、ここで注意したいことは、連絡帳の書き方や電話のかけ方。一般的な大人のマナーは、学校においてもやはり必要です。『息子(娘)がこう言っているんですけれど、どういうことですか!?』と詰問する感じで連絡帳に書いたり、電話したりする親がときどきいます。前置きが何もなく、いきなり本題から入ってしまう。すると、やはり先生も人間ですから、この親はどういう人なんだろうと、身構えてしまいますよね。クレームを言う感じではなく、相談するといったスタンスが大事です」(先生との付き合い方については第3回で詳しく紹介します)
次ページから読める内容
- 「自分はできる子だ」という“思い込み”を持たせよう
- 読み書き、算数 遊びを通して「楽勉」を
- 脳と心を伸ばす 寝る前の絵本習慣
- 自立の一歩を後押しする親の関わり
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