年間500万~1000万円が相場 シンガポールは300~400万円

 有名なボーディングスクールはスイス、イギリス、アメリカ、オーストラリアなどの欧米に多く、学費や寮費は年500万円前後から高い学校では1年間に1000万円以上の場合もあります。

 一方、シンガポール周辺にある寮付きのインター校は費用が年300万〜400万円程度と比較的割安なのが魅力的です。治安も日本と同程度かそれ以上なので安心です。また、罰則が多く、娯楽が少なく、勤勉な国なので、目的を踏み外すリスクも他国と比べると低いように感じます。

 日本からの渡航もそれほど不便ではないので頻繁に子どもの様子を見に行くことも可能です。寮に入れるのは中学生からの学校が多いです。ボーディングを利用したことのある親と子どもに話を聞いたところ「とても寂しかった」という意見も多かったです。ただ、低年齢で行くと英語力など入学の要件が厳しくないうえに適応も早いというメリットもあります。高校からになると、新しい環境に適応をしなければならないうえに大学の受験勉強も加わると子どもの負担が大きくなるデメリットもあります。

 シンガポールにあるボーディングスクールで日本人の生徒もいる学校を紹介します。ローカル系インター校として有名でシンガポールの大統領や政治家も卒業生に名を連ねるアングロチャイニーズスクールインターナショナルでは中学1年生からの受け入れで学費は寮費込みで年300万円程度からです。キャンパスはホランドビレッジにあり、欧米人やお金持ちのシンガポーリアンが多く有名な学校や病院が近くにある東京で言うと広尾のようなイメージのエリアです。

写真提供:アングロチャイニーズスクールインターナショナル
写真提供:アングロチャイニーズスクールインターナショナル

 私も実際にシンガポールの教育を日本に紹介する留学エージェントの「Culture Connection」の協力をもとに、キャンパス内にある寮を見せてもらいました。

アングロチャイニーズスクールインターナショナル キャンパス内の寮
アングロチャイニーズスクールインターナショナル キャンパス内の寮

 他の部屋の生徒たちの様子も分かるような中央が吹き抜けの構造になっていて、部屋の中は4人部屋など大部屋にはなりますが、清潔感がありました。掃除は自分の部屋をするだけでよく、共有スペースはクリーナーが入り、衣類のクリーニングなどもお願いができるようでした。食堂やレクリエーションルームなど生徒が交流をする場所もあります。

 学校の決まりでガーディアンが必要ですが、留学エージェントに紹介してもらうこともできます。

 マレーシア・ジョホール州のイスカンダル開発区に2012年に開校された「マルボロカレッジマレーシア」も学寮が併設されています。祖国英国では名門で英国王室キャサリン妃の母校でもあります。英国の伝統的な学寮で寝食を共にするスタッフのサポートも受けられるようで、学業だけではなくマナーもしっかりと学べるようです。ボーディングの場合、10歳ごろからで学費は400万円程度(寮費込み)からです。

 また、シンガポールで人気のインター校「UWC(ユナイテッド・ワールド・カレッジ)」にも寮があり、「Dulwich(ダルヴィッチ)」にも寮ができる予定です。