動き回りながら本格的な演奏が楽しめるのが、親子向き

 今回、「ナイトミュージアム・コンサート」を体験してみて一番良かったのは、自由に歩き回れること。コンサートホールのような堅苦しさがなく、一曲聴いたらサッと移動したりすることも可能です。まだまだ飽きっぽく、動きたがる子どもにとっては、ストレスなく本物の音楽に触れられるのがいいですね。生の演奏に触れる良いきっかけにもなると思います。

 途中で展示物を見て回っていても、遠くからふんわりと演奏が聴こえてくるのもすてき。そんな自由な楽しみ方ができるのが、親子向けだなあと感じました。

 子どもとのお出かけってつい荷物が多くなりますが、入り口のところで無料でロッカーに荷物を預けられるので、身軽に館内を回れるのもうれしかったです。

 なにより、「国立科学博物館という場所で、一流のコンサートをやってみよう」という、企画のユニークさが秀逸ですよねぇ。

 なんでも、今回の「ナイトミュージアム・コンサート」は、映画『ナイト ミュージアム』(夜になると展示物が動き出す不思議な博物館が舞台のファンタジー映画)にヒントを得て、「夜の博物館でコンサートを開いたら、面白いのでは?」という発想から始まったという経緯もあるんだとか。

 そう! あの映画さながら、夜の博物館の剥製たちは、なぜか昼間よりリアルで、今にも動き出しそうなんです。昼間とは違う雰囲気の博物館で一流の音楽を親子で聴けるなんて、本当に珍しいうれしい体験でした。

 気になるお値段は…入場料1人2000円(1ドリンク付き)。小学生から入場可ですが、特に子ども向けのコンサートというわけではないので、子ども料金の設定はありません。でも、だからこそ、大人も子どもも楽しめるコンサートなんだと思いました。

 「ナイトミュージアム・コンサート」、今年は終了ですが、来年も開催予定とのこと。興味のある方は、来年のこの時期、調べてみてはいかがでしょうか。

 「東京・春・音楽祭」は、4月16日(日)まで開催しています。「東京春祭 for Kids」という子ども向けの演目があったり、特に子ども向けではなくても就学児から入れる演目もあったりします。桜咲く上野へ親子でお出かけするとき、参加してみてはいかがでしょうか。

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■「東京・春・音楽祭-東京のオペラの森-」 http://www.tokyo-harusai.com

(文/安田美香 写真/鈴木愛子)