会社を辞める人には、もれなく素敵なお土産がある。組織の内部にいる時には絶対に聞けない、上司や同輩たちの本音を知ることができるのだ。

 このところ、私の周囲で優秀な女性が次々と転職している。どの人も、高待遇の超一流企業に長年勤務していた。そしてどの人にも、子どもがいる。それぞれに事情はあるが、共通しているのは「あまりにも前時代的な会社を見限った」ということだ。

「会社を見限って」外に飛び出す女性たち

 転職先は、いずれも新興企業。社員も多くて数十人規模。彼女たちが重視したのは、柔軟に働ける環境だ。すでに子育てと両立している人がいるとか、事情を理解した上で採用してくれた、など。

 高学歴で、恵まれた環境で大きな仕事を手がけてきた実力と人脈を持つ彼女たちは、企業にとっても魅力的な人材だろう。待遇は大きく変わるかもしれないが、彼女たちはリスクを取れる。配偶者はいずれも正社員だ。蓄えも少なからずあるだろう。

 けれど、そんな「持てる者」ばかりが思い切った決断をするとは限らない。

 私の知人の若い男性の場合はこうだ。彼の恋人は手に職を持つ女性で、結婚と出産を強く望んでいた。彼は「共働きで子どもを持つためには、自分はどんな働き方をするべきだろうか」と真剣に悩み始めた。当時勤めていたエンタテインメント業界の中小企業は、休日出勤や深夜残業もザラの過酷な職場だった。

先日、仕事で京都に行き、関西在住の友人と寺町通の一保堂の喫茶室でお喋り。さすが世界の京都ブランド、古い茶壺が並ぶ店頭には、英語の堪能な日本人店員さんと、日本語の堪能な外国人店員さんがいました。
先日、仕事で京都に行き、関西在住の友人と寺町通の一保堂の喫茶室でお喋り。さすが世界の京都ブランド、古い茶壺が並ぶ店頭には、英語の堪能な日本人店員さんと、日本語の堪能な外国人店員さんがいました。