子育て世代に起こりやすいトラブルの実例とその対処法を、弁護士法人・響の徳原聖雨弁護士に聞く連載です。第11回は、子どもの犯罪に関すること。まさか自分の子どもが犯罪を!?と思うかもしれませんが、危ない自転車運転や、魔が差して万引きなど、自分の子どもが加害者や被害者になる可能性もゼロとは言えません。実際に、こんなことも犯罪なの? というものも意外にあるようです。弁護士さんが解決法をアドバイスしてくれました。

 CASE1 自転車の危険運転で逮捕されたら、逮捕もある?

Q. 子どもが自転車の二人乗りで警察に呼び止められ、注意されました。この先どうなってしまうのでしょうか。自転車の二人乗りでも、道路交通法違反で逮捕されてしまうのでしょうか。

自転車のイエローカード・レッドカードって?

A. 自転車の二人乗りがダメなことは分かりやすいですが、友達と自転車同士で並行して走ることも、場合によっては道交法に違反する行為となりえます。ブレーキ不良自転車運転、歩行者用道路徐行違反などにも注意です。他にも自転車に関することだと、ゴミ捨て場に捨てられていた自転車を持っていってしまうことも、その自転車が盗まれたものであったとすれば、乗っている自分が盗んだ犯人だとみられてしまうかもしれません。あらゆる場面で、子どもが犯罪に関わってしまう可能性はあります。

 実際には、自転車の二人乗りで通常は逮捕されることはありませんが、「自転車指導警告カード」(通称イエローカード)を渡されることはあります。名前を聞かれることがありますが、自転車指導警告カードは「次からは気を付けましょう」という注意目的が主です。

 悪質な違反の場合は、交通切符(赤切符)を切られるかもしれません。赤切符が交付された場合は、検察庁、裁判所に出頭を命じられ、罰金刑などに課せられる可能性があります。地域によっては、自転車指導警告カードを交付する際に「自転車レッドカード」と書かれた赤いカードを交付されることがあるようですが、これは赤切符とは異なります。

 ではもし、窃盗など子どもが犯罪に関わってしまった場合、その後はどうなるのでしょうか。

 まず警察に逮捕されると、検察庁へ送るべきかどうかの判断がされます。送るということになると、今度は、検察官や裁判官による身体拘束をすべきかどうかの判断がされます。その後、家庭裁判所に事件が送られることになり、少年鑑別所(少年院ではありません)での観護措置が実施されます。家庭裁判所に送られて以降は、生育環境・学校環境などに問題がなかったかどうかの家庭裁判所調査官によるチェックも入ります。そして、裁判、という流れです。