説明会=武道館チケットのような殺到ぶり 500回コールでようやく繋がった

 続いて、わが家は認可保育園に入れるかという、現実的な話が始まりました。点数の中身に関してざっと説明があり、質問するより前に「保育園入園を希望される世帯では、ほぼすべての家庭が100点は満たしています」と言われました。「よって加点ポイントが重要です」と言われ、加点ポイントの説明を受けながら、夫と私の顔はどんどん曇ります。

 第一子だし、互いの母親は既に他界しているけれど実家は近い、おまけに私は自営業。条件を聞き出す担当者の顔もどんどん曇っていきます。“あぁ、うちは認可は無理なんだ”。途中でそう察しました。想像を超える現実に言葉を失いつつ、認証と無認可を探そうと帰り道で夫と話しました。

 探すと認証も無認可もそれなりに数はあり、説明会などの実施予定がホームページに掲載されていました。いくつか目星をつけ、まず第一希望の園の説明会に参加することにしました。予約受け付けが数日後の朝10時となっていたため、その日は9時50分から夫と携帯片手にスタンバイ。10時になった瞬間にコールしましたが、つながらない…そこからコールし続けること500回(!)。保育園説明会=武道館チケットか!? 回線混雑をアナウンスするNTTに何度もはじかれながら、めげずにかけ続けること40分。プルルル‥と夫の携帯がつながりました。

 説明会の申し込みができただけでも入園が確定したかのような喜びようだったわけですが、冷静に考えると単なる説明会なのです。そこに500回もコールするってなにごと!? この辺りから「保活」という名の異常事態に気付いていくことになります。

最長時間で預けるほうが有利? 「私は起きている娘にいつ会えるのだろう」

娘の出産後、妊娠中に安産祈願をした箱根神社に家族でお礼参りしてきました
娘の出産後、妊娠中に安産祈願をした箱根神社に家族でお礼参りしてきました

 その後、願書を出す保育園を2駅先まで視野に入れて決め、提出書類の準備を始めました。ここで私はいい歳をして涙することになります。……というのも、認証は民間企業による経営なので、保育料が高い(=預ける時間が長い)ほうが選ばれやすいとか、切羽詰まっていることを伝えるために最長時間で預けるほうが良いとか、色々な情報が入ってくるのです。

 初めは「そうか、なるほどね。じゃあわが家もMAXで」と思い、申込書の保育時間を記入しようと筆をとったときにふと思いました。「待てよ。ということは私は起きている娘にはいつ会える?」。週6回1日10時間以上も預けたら、私は昭和の働くパパよろしく「平日は娘の寝顔しか見ていません」ということになるのではないか?

 娘は入園時に生後6カ月。これからお座り、ハイハイ、立っちと愛くるしい成長を遂げていくであろう大事な時期に、見ているのは寝顔中心になるの? その事実と向き合ったとき、ペンを持つ手が止まりました。娘が生後3カ月になったと同時に仕事復帰し、以後一度も昼寝できていないほど忙しくしている身でも、そもそも1歳まで保育園には預ける気がなく、主人と協力しながら(主人の勤務時間が一定でないこともあり)シッターさんにお世話になるつもりでした。

 でも、1歳児入園の奇跡のような低い確率にキャリア継続を懸けるわけにはいかず、多くのお母さんたちと同じように、悩み迷いながらも0歳児での入園を決意したのです。