心配しすぎず、適切な教育・指導を
日本医師会と日本小児科医会による「スマホの時間 わたしは何を失うか」というポスターを目にして驚いた人も多いだろう。それには、スマホを使うと「睡眠時間」「体力」「学力」「視力」「脳機能」「コミュニケーション能力」を失うと書かれていた。相関関係があることは確かだが、因果関係が証明されたわけではないうえ極端すぎる内容なので、気にしすぎることはない。
しかしその一方で、自由に使わせすぎると保護者が心配するような問題が起きやすくなることも確かだ。特に幼児の場合は、保護者が適切な教育をしたり、ルールを決めて使わせることが効果的だ。その際、保護者の端末はフィルタリングサービスを利用していないことが多いので、ペアレンタルコントロール設定ができる端末は必ず設定すること。そして必ず保護者がいるところで使わせるようにすると、適切な使い方を身に付けられ、上記のような問題が起きることも防げるはずだ。
当連載で過去にお伝えしてきたとおり、本人にとって適切な年齢にルールを決めて使わせることができれば、大きな問題にはつながりにくいので、ぜひ参考にしてほしい。自信がなければ、学校や地域などで子どものスマホ利用についての勉強会や講演会なども開かれているので足を運んだり、参考となる書籍を読んだりしてみるといいだろう。
e-Lunch、カスペルスキーの1歳から6歳の幼児の保護者を対象とした「未就学児のスマートフォン利用調査結果」(2014年12月)によると、保護者のスマートフォンやタブレットの利用時間が増えると、子どもがスマホを利用する時間も増えることが分かっている。保護者も子どもの前でスマホを使いすぎたり、食事時にスマホを利用したりせず、子どものお手本となるような使い方を心がけるようにするといいだろう。
なお、子どもたちのインターネット利用について考える研究会が未就学児の情報機器利用について、保護者用のチェックリストを用意している。機器利用の時間や場面について、情報の内容と保護者の関わり方、機器の与え方、保護者自身の知識や使い方などについて問題点やポイントを確認できるので、参考になるはずだ。
■子どもたちのインターネット利用について考える研究会「未就学児の情報機器利用 保護者向けセルフチェックリスト」http://www.child-safenet.jp/material/checklist/
(イメージ写真/鈴木愛子)