利用は心配も、使わせ方については学習せず

 では、家庭では未就学児に対してどのような指導・教育・対策をしているのだろうか。総務省情報通信政策研究所の「未就学児等のICT利活用に係る保護者の意識に関する調査報告書」(平成27年7月)によると、情報通信端末を使いこなす能力を身に付けさせるために家庭で取り組んでいることは、以下のようになった。

 未就学児では、「保護者が指導・注意を行っている」が43.9%でトップだった。しかし、「特に取り組んでいないが、子どもは情報通信端末の操作を自発的に取得している」が31.6%など、対策をしていない家庭も多い。「特に取り組んでいないので、子ども自身では情報通信端末の操作はできない」が23.1%、「幼稚園や保育園、学校、パソコン教室等の外部に指導を仰いでいる」は2.5%だった。

 前述の「未就学児の生活習慣とインターネット利用に関する保護者意識調査結果」によると、子どもの利用についてはほとんどの保護者が何らかの不安を抱いており、「気にしていることは特にない」という保護者は6.1%に過ぎなかった。トラブルや影響として気にしていることは、「目が悪くなることや、視力発達への悪影響」が59.2%でトップ。続いて、「勝手に課金や購入をしてしまうこと」「不適切な画像や情報に触れること」「将来、長時間利用傾向や依存になってしまうこと」「情緒面やコミュニケーション能力、脳の発達への悪影響」などとなっていた。

 なお、全体の8割以上の保護者が、未就学児への情報機器の使わせ方や安全な利用について学習したいと考える一方、実際に何らかの行動をした割合は半数に満たないという結果となった。子どもの端末利用の影響に対して不安を持ちながらも、使わせ方を学ぶことはせず、教育や対策を施していない家庭も多いことが分かった。