クックパッドの初期からのメンバーとして、「毎日の料理を楽しみにする」人を増やすために日々活動している小竹貴子さん。自身も二児の母として、仕事と育児のDUALライフに奮闘しています。そんな小竹さんに、お弁当作りを楽しむコツについてお伺いしました!

 料理の価値ってなんだろう?と日々考えている私にとって、ずっと気になっていたのが「お弁当」でした。

 長女は給食のある保育園育ちでしたが、次女は教育方針に共感できる幼稚園に入れたので、お弁当づくりは毎日の日課に。現在小学生の長女も夏休みなど長期休暇のときにはお弁当を持っていきます。

 周りのお母さんの話を聞くと、お弁当づくりはどうも「苦行」であり、「面倒」なものというイメージが強いようです。でも、私はあえて大きな声で言いたいのです。お弁当づくりを楽しい!という視点に変えるだけで、その時間すらも意味のあるものであるということを。

小竹貴子さん
小竹貴子さん

 先日公開した田園調布学園大学子ども未来学部講師の横尾暁子先生との対談で印象的だったのが「お弁当は親子の交換日記である」という言葉でした。その日の子どもの体調や気分、予定を考えながら作ったお弁当を朝渡して、夕方に空になったお弁当箱を受け取る。中身が残っていたら、「どうして残しちゃったの?」と声をかけ、その日の様子を知る会話が始まっていく。お弁当が食事という機能を果たすだけでなく、親子のコミュニケーションのきっかけにもなっているというのは、私自身の日々の経験からとても納得できるものでした。

 「せっかく作ってもあまり食べてくれない」という悩みも時々耳にします。私も初めは試行錯誤しましたが、「無理なく続けられて子どもも喜ぶ、お弁当づくりのちょっとしたコツ」が分かってからは、毎日のお弁当を娘がとても楽しみにしてくれていますし、私自身も無理なく楽しめるようになりました。

 小学校入学に伴う学童保育や塾で必要になるお弁当、遠足など行事でのお弁当づくりの参考にしてみてください。

お弁当づくりのコツ1 子どもの自信を育てる

 お弁当の中身を考えるときには、それを食べる時間が子どもにとって楽しいものになることを第一に。「楽しい」といっても、私はにぎやかなキャラ弁を目指すのではなく、子どもの「自信」をつけられるような工夫をしています。

 例えば、ご飯の量。子どもが食べきれる量を正確に把握して、きちんと計ってよそっています。空になったお弁当箱を持ち帰ってきた日の娘の“ドヤ顔”を何度も見たいから(笑)。本人も「全部食べたよ!」とうれしそうです。きっとお母さんが作ってくれたお弁当を完食できることって、大人が思う以上に子どもの自信を育てるのかなと思います。

 ご飯の適量の目安は個人差があると思いますが、私が娘のお弁当でつかんだ感覚では、だいたい身長の数字と一致しています。例えば、身長100cmならご飯の適量は100g、身長120cmならご飯は120gがちょうど食べきれる量です。

 「食べることに対して自信を育てるコツ」としては、食材をカットするときにお箸でつまみやすい大きさや形を意識することもポイントに。娘の大好物「チクワきゅうり」を作るときには、チクワに切り込みを入れて、お箸が止まりやすいように。見た目もお花が咲いたようになってかわいらしくなるんですよ。