わたしは前の歯茎が隠れ出っ歯で、さらにメラニン色素が多く、脂過多で、肌が基本的に強いせいか(本当に面の皮が厚いんです)、シワの類、ほうれい線にはそこまで悩まされずにここまできたけれど、顔の長さにいたってはこれ、完全に余裕で2センチは伸びている実感がある。

 仔犬や仔猫、人間の赤ん坊が基本的に愛らしく可愛いのは、顔が短く、まるいせいである。それがだんだん伸びていって、長方形になってゆく。もちろんそれは成長の証なんだけど、40歳くらいになると、鼻の下まで伸びてきて、目からあごまでの面積が「え」というくらいに広がり、こう、文字通り顔が間延びして、けっこうな変化をするんである。

まるくて可愛いかった顔が「伸びる」現象…への対策!

 このことに関しては、加齢によって骨がずれるので骨格矯正うんぬん、という話もあるけれど、個人的にこれは関係ないと思ってる。長い時間生きていればそりゃ骨にもなにかしらの変化はあるだろうけれど、数時間、数回の人の手&外圧による施術で骨格が変化するなんて、そんなん危なっかしくて生きてられない。顔の伸びは、ほかの部位とおなじように筋力の低下と肌の張りの減少が主な理由であり、今までは上位でキープされていた肉が下へ下へ移動して、さらに失われた張りによって皮膚や肉が痩せてしまって、まるみが消えてしまう、ということなのだと思う……。

 顔が伸びたら、春・・・・じゃなくて、どうしたらいいか。わたしは専門家でないのでわからないけれど、個人的には、ふたつの選択肢があるんじゃなかろうか。

 ひとつは、顔なが現象もひとつの変化として受け入れ&あきらめて、今現在の持ち物を丁寧に手入れし、あくまで質の向上を目指すもの。

 もうひとつは、顔面の筋トレ。

 口角を頭おかしいほどの笑顔で持ちあげ、頬の中身が痛くて我慢できない状態で固定してゆるませる、の古典的な筋トレに地味に勤しむことである。おなじく鼻の下に鉛筆を挟むイメージで上唇と鼻の穴をくっつけ、ゆるんで伸びた鼻の下の筋肉を鍛えること。効いてるのかどうか心許ないけれど、しかしこれを一日数回繰り返すくらいしか、「顔なが」に対抗する手だてはないように思う……。