自分の成功事例を書き出してみる

 パターン・ランゲージは、誰でも簡単に使えるツールです。子育て中は、毎日がトラブルばかりですよね。そんなときにこそ、成功事例の導き出し方を参考にしてほしいと思います。

 毎日忙しいDUAL読者は、「こんなに忙しいのに、そんなこと考えられない!」と思われるかもしれません。でも、その「忙しい毎日」のなかでここまでやってこられたのは、途中何度か出合ったトラブルを、うまく回避できた経験があったから。パターン・ランゲージを使って自分の経験を書き起こすことで、そのことがよく見えてきます

 DUAL読者は、仕事や子育てのトラブルを乗り越えた経験があると思います。その経験を、「パターン・ランゲージ構成マップ」を使って書き起こしてみましょう。

パターン・ランゲージ構成マップ。「Pattern Writing Sheet」(井庭崇、2014)を元に要約しました
パターン・ランゲージ構成マップ。「Pattern Writing Sheet」(井庭崇、2014)を元に要約しました

 例えば、子どもの体調不良で、「明日は保育園に預けられないかもしれない」と思うこと、ありますよね。それをうまく切り抜けた経験があれば、その経験を「パターン・ランゲージ構成マップ」に書き起こしてみましょう。

 この5つの項目で、どこから書き始めても構いません。例えば、「そういえば、あのとき私、キリのいいところまで仕事を進めておき、その書類を誰にでも分かるような場所に置いたんだった」成功体験を思い出したとします。その行動を、「Action」に書き込みます。

 その後、「なんでそんなことをしたんだっけ?」「その翌日、仕事を休むことになったけど、同僚が特に困らなかったのはなぜ?」と考えながら、他の項目を書き込んでいきましょう。

 すべての項目を書き終わったら、上から順に読み返します。すると、こんなふうになります。

① 突然、仕事を休まなければならなくなった。
② そうすると、同僚に迷惑をかけてしまうかもしれない。
③ そこで、明日休んでも影響がないようにしようと思った。
④ そのために、キリのいいところまで仕事を終わらせて、書類を分かりやすい場所に置いた。
⑤ その結果、突然仕事を休んでも、影響を最小限に抑えることができた。