「一級建築士事務所 Office Yuu」代表で住宅リフォームコンサルタントのYuuさんは、長年にわたり延べ1,500件以上の住宅リフォームやインテリアのプラニング、相談に携わってきた家づくりのプロ。子どもの成長に合わせた家づくりを提案するYuuさんに、子ども部屋をつくるときに知っておきたい基礎知識を聞きました。
個人差があるので一概には言えませんが、お子さんが親と寝るのを嫌がらないうちは、焦って部屋を用意する必要はないと思います。小学生のうちは、部屋を与えても勉強はリビングでして、自室は寝るときだけ使う…というお子さんがとても多い。それに子どものうちは、部屋にこもって一人で勉強するよりも、人とコミュニケーションを取りながら勉強をしたほうが、記憶に残りやすいという説もあります。リビングに勉強用のスペースを確保しつつ、その子の成長具合を見ながら、個室を与える時期を見極めましょう。
きょうだい、成長に合わせたスペースづくり
将来の家族構成の変化まで視野に入れた家のプランニングをするならば、子ども部屋が必要な期間はそれほど長くはないということを念頭に置きましょう。仮にきょうだいが2人いたとしてそれぞれに個室を与えてしまうと、彼らが巣立ったときに滅多に出入りしない“開かずの間”が2つもできてしまいます。子ども部屋は最小限にしておき、そこをフレキシブルに使える空間にしておくのが得策です。
理想的なのは、広めの左右に分けられる空間。7.5畳程度確保できれば、成長に合わせて、パーテーションや間仕切り家具で仕切ってアレンジをすることができます。子どもの思春期を機に部屋を完全に仕切るときがきたら、それぞれが個室の機能を果たせるようにドアだけでなく照明も2つ設置してあげるといいですね。