高学年になり中学が近づいてくると、親の手から離れ、自分の部屋を欲しがるようになる場合が多くあります。低学年期に用意しておいた子ども部屋が本格的に機能し始めるタイミング。3月の高学年年齢別特集では、高学年における親子の関わりと環境づくりについて全4回で解説。最終回では、失敗しない子ども部屋づくりのためのポイントや成長に合わせたレイアウト変更のアイデアについてQ&A形式でお届けします。

【年齢別特集 小学校高学年のママ・パパ向け/新学期準備】
(1) “小4の壁”は春休みに直面 学童卒所対策
(2) 小4の壁 習い事、勉強、子どもの心のケア 
(3) よく学び、家族をつなぐリビング&子ども部屋
(4) 高学年 一人部屋づくりの時期、ポイント ←今回はココ

 子どもの成長に伴い、ママやパパが抱く育児の喜びや悩み、知りたいテーマは少しずつ変化していくものです。「プレDUAL(妊娠~職場復帰)」「保育園」「小学校低学年」「高学年」の4つのカテゴリ別に、今欲しい情報をお届けする日経DUALを、毎日の生活でぜひお役立てください。

 

 「一級建築士事務所 Office Yuu」代表で住宅リフォームコンサルタントのYuuさんは、長年にわたり延べ1,500件以上の住宅リフォームやインテリアのプラニング、相談に携わってきた家づくりのプロ。子どもの成長に合わせた家づくりを提案するYuuさんに、子ども部屋をつくるときに知っておきたい基礎知識を聞きました。

Q1. 小学生に子ども部屋は必要ですか?

A. 焦らず、子どもの成長具合を見ながら用意しましょう。

 個人差があるので一概には言えませんが、お子さんが親と寝るのを嫌がらないうちは、焦って部屋を用意する必要はないと思います。小学生のうちは、部屋を与えても勉強はリビングでして、自室は寝るときだけ使う…というお子さんがとても多い。それに子どものうちは、部屋にこもって一人で勉強するよりも、人とコミュニケーションを取りながら勉強をしたほうが、記憶に残りやすいという説もあります。リビングに勉強用のスペースを確保しつつ、その子の成長具合を見ながら、個室を与える時期を見極めましょう。

きょうだい、成長に合わせたスペースづくり

Q2. きょうだいがいる場合、子ども部屋は人数分つくったほうがいいでしょうか?

A. 子ども部屋は最小限かつ柔軟に。間仕切り家具が便利です。

 将来の家族構成の変化まで視野に入れた家のプランニングをするならば、子ども部屋が必要な期間はそれほど長くはないということを念頭に置きましょう。仮にきょうだいが2人いたとしてそれぞれに個室を与えてしまうと、彼らが巣立ったときに滅多に出入りしない“開かずの間”が2つもできてしまいます。子ども部屋は最小限にしておき、そこをフレキシブルに使える空間にしておくのが得策です。

 理想的なのは、広めの左右に分けられる空間。7.5畳程度確保できれば、成長に合わせて、パーテーションや間仕切り家具で仕切ってアレンジをすることができます。子どもの思春期を機に部屋を完全に仕切るときがきたら、それぞれが個室の機能を果たせるようにドアだけでなく照明も2つ設置してあげるといいですね。

<次ページからの内容>
・6畳の狭いきょうだい部屋 思春期にはどうする?
・子ども部屋の密室化を防ぐ工夫
・成長に合わせて考えたい、子どものプライバシーと収納方法