オーウェンの母の純粋な愛情はすべての親のお手本

幼いころのオーウェン
幼いころのオーウェン

―― オーウェンのお父さん、ロン・サスカインドさんと以前からご友人だったことがきっかけで、本作を撮ることになったそうですね。ご家族と2年ほど一緒に過ごされたそうですが、その間に監督はどのようなことを感じられましたか?

ウィリアムズ 本作を撮ることになったきっかけをよく聞かれるんですが、あなたは予習してきてくれたのですね(笑)。ありがとうございます。サスカインド家で過ごす間、様々な感情が湧き上がりました。自閉症について知らないことが多かったので、最初はナーバスになったりもしましたが、オーウェンや彼の友達を知る中で、彼らが本当に素晴らしいということが分かりました。

 ニューロダイバーシティー、直訳すると脳の働きに多様性があるという言葉なのですが、そういった自閉症スペクトラム障がいと呼ばれるところに属する方たちが、いかに素晴らしい才能を持っているか、この映画を作ることで理解することができました。

 また、オーウェンは素晴らしいストーリーテラーでもあります。私も映像作家として物語を伝えていますが、彼は本当に優れたストーリーテラーなので、たくさんのことをオーウェンから教わりました。

 オーウェンのお母さんのコーネリアの純粋な愛には、とても心を打たれました。彼女はお手本となるようなお母さんだと思います。自分の息子と通じ合うために、誰にも止めることができない強い思いを持っているんですね。お父さんのロンもお手本となる人物だと思います。

愛情にあふれるサスカインド家
愛情にあふれるサスカインド家