閉経は42~56歳ごろ。閉経前から更年期は始まっている

 ところで、更年期とはいつごろ始まるのでしょうか。武田さんによると「月経周期が乱れはじめてから、閉経をはさんでその後の数年間です。最終的には卵巣から女性ホルモン(エストロゲン)がまったく分泌されなくなります」だそう。つまり閉経していなくても更年期に入っているということです。

 閉経はおよそ42~56歳ごろ。閉経前後5年の10年間が更年期です。日本人の平均の閉経年齢は50.5歳ですから、だいたい50歳をはさんだ10年間ほどということになります。なお、閉経には「45歳以上で、1年以上月経を認めなければ閉経としてよい」という定義があります。

症状は3種類。出血があったらがんの検査を必ず受ける

 よく耳にする更年期症状とは更年期に起こる不快な症状のこと。具体的には次のような症状のことです。卵巣機能が低下してエストロゲンの分泌が減少するために起こります。日常生活に支障をきたすほど症状が重くなり、診断名がつくものを更年期障害といいます。

・月経異常 不正出血がある
・自律神経失調症状 のぼせ、ドキドキ
・精神神経症状 不眠、イライラ、頭が重い、うつっぽい、物忘れ

 この中で、月経異常は最初に出てくる症状です。最初は月経周期が短くなり、それから長くなるのがよくあるパターンだそう。「不正出血があっても『更年期だから』と放っておきがちですが、子宮がんが増える時期でもあるので、不正出血があれば、がんの検査が必要になります」と武田さん。

 のぼせ、ほてりは更年期症状に特有の症状。「上半身はのぼせて、下半身は冷えるのが更年期症状の特徴です。運動不足やストレスも原因のひとつです」。

 本人も周りもつらいのは精神神経症状でしょう。「更年期は女性にとって、社会的な変化が多い時期です。子どもの就職や結婚、自立、夫が定年になったり、親の介護、死別などもあります。また、女性にとって閉経は女性でなくなるというイメージがあります。自分の身体的老化を自覚して、健康への自信を喪失してしまうのです。そういった、心因性の更年期症状があることも知っておきましょう」と武田さんは話します。

6~7割の女性がなるが、ずっとは続かない

 更年期症状は、閉経した女性の60~70%に起こります。ただ、「ずっと続くものではないことを理解してください」と武田さんは強調します。通常は2~5年ほど。閉経5~10年で40%になり、閉経後10年経過すれば、4%まで低下します。

 「更年期に入って気をつけたいのは、動脈硬化や骨粗しょう症など、いわゆる生活習慣病への備えです」と武田さん。これらは老年期に問題となる病気ですが、実は、更年期に女性ホルモンが減ることで、気付かないうちに急激に進むのだそう。「日本の女性は、平均寿命は86.3歳と長寿ですが、健康寿命は73.62歳です。つまり12.68年は寝たきりや要介護の状態ということです。この期間をなくしたり、短くして、ウェルエージング(いい年を取る)にするには、更年期に体のケアをすることが重要なのです」。