大塚製薬が開催した「女性ジャーナリストのための『女性の健康』セミナー」リポート。前回の「月経前症候群は軽減できる。ママも娘もガマンは禁物」に続いてお送りするテーマは、更年期障害です。

 一生を通じてホルモンバランスに左右される女性の体。しかし、学校では性教育が中心で、女性ホルモンの変化について学ぶ機会はほとんどないのが現状です。自分のホルモンが今どのような状態か知っている女性も少ないのではないでしょうか。男性ならなおさら、妻や同僚のことが分からないでしょう。

 DUAL読者の年齢では「更年期なんてまだまだ先」と思っている人もいるかもしれません。しかし、閉経前の42歳ごろから更年期が始まる人もいます。突然の変化に驚かないように、更年期にどんなことが起こるかきちんと知っておきましょう。お話は前回に続き、近畿大学東洋医学研究所所長の武田 卓教授です。

武田 卓(たかし)先生
大阪大学医学部卒業。同大医学部産婦人科助教・学内講師、東北大学先進漢方治療医学講座准教授を経て、近畿大学東洋医学研究所所長、女性医学部門教授。近畿大学医学部附属病院、漢方診療科診療部長。東北大学医学部産婦人科客員教授。専門は漢方診療、産婦人科、内分泌、女性心身症、婦人科腫瘍、分子生物学、冷え症。

女性ホルモンには長期的なサイクルと短期的なサイクルがある

 「一億総活躍社会といわれるなか、女性の活躍推進がうたわれています。産婦人科でも女性の健康の包括的支援は大きなテーマです」とお話を始めた武田さん。女性の活躍にとって不可欠なのが女性ホルモンのサイクルを知ることだそう。「女性の特徴であるホルモンのサイクルは、一生の中での長期的な変化と、月経周期の中での短期的な変化があります」。短期的な変化で起こる不調が前回のテーマである月経前症候群。長期的な変化の中で起こるのが、更年期症状です」。

 「女性の一生は、胎生期、小児期、思春期、性成熟期、更年期、老年期に分けられる」と言う武田さん。「思春期になると初経があり、第二次性徴が始まって女性ホルモンの値が上がってきます。そして、毎月の排卵周期が確立します。そして、出産適齢期の性成熟期を経て更年期に入るのです」。なるほど、DUAL読者の中には更年期の入り口にいる人もいそうですね。