中学受験のプラス面とマイナス面、色々な価値観を描きたい

―― 連載中に、特に力を入れた点や、苦労した点がありましたら教えてください。

高瀬 うちの受験と重なっていたので、感情はめちゃめちゃ込めることができました(笑)。しかし、本番で苦戦したり、残念な結果に終わる家庭を描くときは、まだわが家の結果が出る前でしたので(笑)、胃液が逆流しそうな気持ちで描いてました…!!

小林 読者に役立ちそうな情報を入れることはもちろん、中学受験のプラス面とマイナス面、あと色々な価値観を描きたいと意識しました。なので盛り込みたいことが膨らんでしまい、まとめるのが大変でしたが、高瀬さんがベテランの技で、うまくページの中に収めてくださったと思います。

羽生 台本を作っているときに高瀬さんと小林さん、DUAL編集部で何度も話したのは、「受験するしないは、家庭の判断それぞれ。もちろんしなくたっていい。だからこそ、いろんなパターンで懸命に頑張っている家族を描きたい」ということ。「受験に勝つための本」にしたくないというところがこだわりです。

 そこで、私立中堅のフツー男子の家族、経済的に余裕のない公立一貫校を目指しているシングル家庭、本人(小4女子)から「難関校を目指したい!」と希望した家族、母親が学歴コンプレックスで娘に押し付けてしまい、途中で行き詰まる家族…と、4家族を描き切りました。

 これは、よくある「合格ノウハウ本」ではないんです。受験するかどうか→親子の葛藤→勉強のしかた→塾通い→直前準備→本番→合格発表と、漫画を通して「体験(シミュレーション)」できるというのが、この本のおすすめポイントです。

―― 最後に、漫画制作に関わったメンバーから、ぜひお伝えしたいメッセージです!

高瀬 「で、中学受験って、やったほうがいいの?やらないほうがいいの?」という疑問。私自身も持っていたこの素朴な疑問は、答えが本当に無くて。この漫画を読んで、読者の皆さんがそれぞれに考え、悩み、お子さんの気持ちも尊重しつつご家庭で考えるきっかけになりましたらうれしいし、お気持ちに寄り添える一冊になれたらと心から思います。

小林 本のテーマは「中学受験」ですが、作り終えてみたらその奥には「子育て」という大きなテーマがある作品になったように思います。なので、受験を迎える方はもちろん、ぜひ一人でも多くの子育て中のママ・パパたちに手にとっていただけたら幸いです!

編集N そうですね。漫画にも4家庭出てきたように、子どもの個性や家族のあり方によって、共働き受験も様々でした。受験するにしてもしないにしても、それぞれの家族にはストーリーがあって、それぞれの正解がある。試行錯誤しながら、「わが家のスタイル」を見つけるきっかけの一つになれたらと思います。

羽生 特別付録の「公立中高一貫校を大解剖!」の冊子も超おすすめ。私立でもなく、地元公立でもない。公立だけど中高一貫の教育方針が分かります。各学校の校長先生の方針、生徒会長など代表生徒さんの学校での様子、気になる進学先など、ここが知りたかった!というところが凝縮されています。ご両親が公立中学校に通っていたというご家族には、ぴったりの情報かと思います。

編集S 漫画の各章の間にある、受験のプロによるコラムや、「そもそもクラスの大半が受験するの?」「中学受験するなら大手塾がいい?」「お金はどれくらいかかる?」などの素朴な疑問に「ウソ・ホント」で答える読み物も、おすすめです! これだけコンテンツが詰まって980円は本当にお得だと思います。

●DUALの人気漫画連載「ドタバタ中学受験★物語」がムック本になりました!
校長インタビューなど、公立中高一貫校の特別付録付き

これ1冊で「親のすること」丸わかり!
『中学受験をしようかなと思ったら読むマンガ』  3月11日発売!
漫画/高瀬志帆
価格/980円(税込み)

【第1章】 塾に通う?どうする?~小学校中学年~
【第2章】 親はハラハラ、ときにケンカ~小学校高学年~
【第3章】 受験までカウントダウン!~小6夏以降~
【第4章】 ついに受験当日~小6の2月~

漫画以外の特集/コラムも読みごたえたっぷりです。
・うちの子は中学受験向き?5つの判断基準
・四大受験塾、わが子にはどこが向いている?
・難関校を目指すなら少人数塾より大手塾のほうがいい?
・「中学受験をしない」子が小中学時代にすべきことは? など

【特別付録】 公立中高一貫校を大解剖!
・公立中高一貫、傾向と対策
・小石川、武蔵など、都立中高一貫校6校の校長インタビュー

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