愛情のストレートなアピール、大事です

 中高生くらいになった子どもたちのキッチントークを聞いていて驚くのは、「うちのお母さんなんて私のことちっとも大事に思ってくれない」と大真面目で言うことです。私はその子のお母さんの顔を思い浮かべて「それはあり得ないだろう」と思うわけです。それで、「それ、本当にそうかな?」って聞くと、「はい、本当です」って言うから、「いやいやいや、あなたのお母さんはそんなことはないですよ、私はよーく知っています」と私が熱く説明することになります。

 ですから、お父さんとお母さんには、子どもが大きくなってもその子に対する深い愛情を分かりやすくアピールしてくださいねとお願いしたいです。「あなたのために作ったのよ」とか「一緒に食べようと思って待っていた」とか、別に自分で作らなくても「好きでしょう? だから買っておいた」とかね。そういうアピール、大事です(笑)。そして褒めることも。

 子どもが小さいころはスキンシップもごく自然にするし、「かわいいね」「すごいね」としょっちゅう言っているけれど、だんだん子どもが大きくなってくるとダメ出しをすることのほうが多くなり、反抗期が来るか来ないかという時期からは、何となく褒めることもためらってしまうもの。そのまま、気が付けば親は愛情表現を何も言わないようになっている。

 でもね、言うときは言ったほうがいいんです。「あなたコロッケ好きだから買ってきた」とかね。本当は買ったときはそんなこと考えていたわけじゃなかったとしても(笑)、とってつけたようだなと思ったとしても、言ったほうがいいです。そうすると子どもたちは内心うれしそうにしているのよ。意外にまだまだかわいいの。

 子どもが中学生や高校生になると、親の役目は見守ることになっていきます。でも黙って見守っているだけだと、子どもは「全然何とも思ってくれていない」と考えてしまうのね。ですから、親のほうからのアピールは大事です。