親の関わり2【受験戦略】
目標を“見える化”し、やるべきことを点検する

 中学受験塾に通い始めると、毎日の勉強は欠かせません。塾は学年が上がるごとに勉強量が増えていきます。それを無理なくこなせる子であればいいのですが、そんな子はほとんどいません。そして「塾の言う通りに頑張れば頑張るほど、塾に振り回されてしまうという悪循環に陥ってしまうのです」と小川先生。

 「こういう状況になってしまうと、親は勉強をさせることに必死になってしまいます。そして、それがうまくいかないとイライラして怒ってしまったり、親御さん自身が落ち込んでしまったりするのです」

 「でも、やるのは本人です。お子さん本人が納得して取り組まなければ、うまくはいきません。それには、勉強を『やらせる』のではなく『できる状況に変える』必要があります。お子さんの『受験戦略』を考えるのです」

 その理想のステップとして、次の3つが挙げられます。

Step1. 動機付けと現状確認
Step2. 基本のスケジューリング
Step3. 目的達成型のスケジューリング

 詳しく説明をしていきましょう。

●Step1. 動機付けと現状確認

 中学受験のゴールは志望校に合格することです。そのゴールを目標にし、それを実現するための最善の道を見つけることが大事です。目指さなければならないのは、お子さんが志望校の入試問題を実際に解ける子になること、実際の入試日前日に、お子さんが合格できる子になっていることです。そのために、やるべきこととやらなくていいことを取捨選択する判断基準を作ります。これが「受験戦略」です。

 目標を具体化すると、現状とのギャップが見えてきます。例えば、お子さんの目標が開成中学に合格することだとします。具体化するために、国語の出題傾向を調べたら、思考力を問う問題が出されることが分かりました。しかし、お子さんは問題文が読めても、集中力が続かず、途中で考えるのをやめてしまう心配があります。この場合、「集中力の持続力不足」というギャップが見つかります。それなら、効率よく考える方法を学び、集中の持続力を高めるトレーニングをしていく必要があります。こうして具体化した目標をクリアしていくのです。

 このように、目標を具体化して、そのギャップを埋めるための勉強をしていくことが、合格の近道になります。

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 しかし、やりたいことが多過ぎて、何から手をつけていいのか決められないこともあるでしょう。そういうときは、やるべきことの優先順位をつけます。そして「今日はこれだけはやる」というやるべきことを決め、部屋のカレンダーに書き込み“見える化”しましょう。

 勉強は闇雲にやっても効果が出ません。量を求めるのではなく、その日にやるべきことがきちんとできていればいいのです。何をすればいいのか“見える化”し、子ども自身が納得して取り組める状態を作りましょう。

●Step2. 基本のスケジューリング

 やるべきことを決めたら、それにどれだけ時間がかかるか親子で確認しましょう。基本のスケジューリングは1週間単位で設定をしておくといいでしょう。そのときに大事なのは、子どもに決めさせることです。

 多くの家庭では、平日のスケジュールを塾の有無で決めてしまいがちです。しかし、お子さんには頑張れる日と頑張れない日があるのです。例えば週の半ばの水曜日は、塾がない日でも疲れが出やすいものです。そこに塾がないからといって、たくさん勉強をさせようとしても、気力がダウンしていて、勉強を頑張れないかもしれません。

 そこでスケジュールを決めるときは、「この日はどのくらいできそうかな?」とまずはお子さんに聞き、お子さん自身で考え、決めていくようにします。そのときに「ゴールデンタイム」を意識して、スケジュールを立てていきます。ゴールデンタイムとは、お子さんの体調が万全で、勉強に集中できる時間を指します。そこに「頑張りたい勉強」を入れます。そして、それは確実に行うようにします。それ以外の時間に予定を入れた勉強は、お子さんの状況によって修正の余地を作っておきましょう。こうして、自分の一日の中にも色々な時間があることに気づかせるのです。

●Step3. 目的達成型のスケジューリング

 週単位のスケジュールができたら、次に月単位のスケジュールも考えます。運動会や修学旅行などの学校行事があって勉強ができない日があるなど、その月によって違ってくるからです。こうしたことを事前に把握しておくと、「いつまでに何をすべきか」先を見通せるようになります。

 このように、今やるべきことを把握し、それが実現できるスケジュールを立てることが大事なのです。


越南小町
越南小町 1971年、東京生まれ。フリーライター。子どもの誕生をきっかけに、わが子の成長に合わせ、ベビー雑誌、保育園専門誌、育児・教育雑誌、塾専門誌で取材・執筆。7年前に子どもの中学受験を経験したものの、国立大学の付属中学で併設高校が無かったため、その3年後に“高校受験生の母”、またその3年後に“大学受験生の母”も体験。中・高・大の3つの受験を知る受験ライター。

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