今年2月、日経DUAL主催の中学受験対策セミナー「自己管理できる中学受験生の育て方」が開催されました。講師は本連載でおなじみの中学受験のプロ家庭教師・西村則康先生と、中学受験専門の個別指導教室SS-1代表の小川大介先生です。

本連載では、受験のプロならではの実践的なアドバイスが満載だったセミナーの内容の一部を3回にわたって紹介します。最終回の今回は、受験生の親たちの悩みに寄り添い、それぞれの学習シーンに合わせた「理想の親の関わり方」をお伝えします。ぜひ、参考にしてみてください。

第1回 中学受験 4~6年生が夏までにしておくべきこと
第2回 親の“成功体験”が子どもの中学受験をつらくする
第3回 中学受験 子を伸ばす親の大事な3つの関わり ←今回はココ!

みんな悩んでいます。「中学受験、このままで大丈夫?」

 中学受験を始めると、様々な悩みが出てきます。どんなに優秀なお子さんでも、いつも右肩上がりという状況はまずないのが中学受験。どこの家庭でも大なり小なりの悩みを抱えているのではないでしょうか。

 先生方のところにも、多くの親御さんから色々な悩みが寄せられているといいます。なかでも特に多いのが、次のような悩みです。

<中学受験 親からの主な悩みの声>

① 自分から勉強をやらない
② 子どもの要領が悪い
③ マイペース過ぎて間に合わないのでは・・・
④ 受験を押しつけたくないが出遅れたくないので焦る
⑤ 本人の意志を尊重したいがその度合いに悩む
⑥ 塾選び・学校選びで悩む
⑦ 勉強の取捨選択が分からない

 どうですか? 皆さんのご家庭でも当てはまるものはありませんか?

 「中学受験の悩みは、大きく分けて次の3つに分けられます」と、小川先生は解説します。

【1】「子どもの自己認識」に関する悩み
【2】「受験の戦略」に関する悩み
【3】「学習理解」に関する悩み

 上記に挙げた悩みを分類すると、①~③が「子どもの自己認識」に関する悩み、④~⑥が「受験の戦略」に関する悩み、⑦が「学習理解」に関する悩みに該当します。

 「今抱えている悩みを、この3つの悩みのどれかに分類してみてください。そうすれば、『なんとなく不安』の『なんとなく』を明確にでき、その解決法も素早く見つけることができます」

 では、それぞれ詳しく説明をしていきましょう。

中学受験専門個別指導教室SS-1代表の小川大介先生(左)と中学受験のプロ家庭教師・西村則康先生(右)
中学受験専門個別指導教室SS-1代表の小川大介先生(左)と中学受験のプロ家庭教師・西村則康先生(右)