食が細いことで、成長に影響はないの?
「これまで多くの子どもを見てきましたが、食の細い子というのは毎年必ずいます。そしていつの時代でも、子どもの小食は育児ママの悩み事のトップを占めるものです」と、多くの子どもたちを見てきたチャイルド・ファミリーコンサルタントの山本直美さんは話します。
「食が細い子のタイプは様々で、出された食事をあまり食べずに終えてしまう、食事に興味がなく違うことをしてしまう、食わず嫌いがある、などがあります。体質ひとつとってみても、一度の食事では少量しか食べられない子や、あまり食べなくても消化効率の良い子、そしゃくなどのペースが遅く食べ終わるまでの時間が長い子など様々です」
食が細い子の親として一番心配なのは、「それで成長に影響はないのか?」ということ。読者を対象に実施した食が細い子どもを持つパパ・ママ向けのアンケートでも、小食で心配なこととして「栄養不足」「成長不振」「体力不足」などがトップに入っていました。これらへの影響は心配しなくてよいのでしょうか。
「身長や体重がたとえ成長基準の正常域に達していなくとも、右肩上がりになっていれば大丈夫です。私が見てきた子どもたちの中でも、幼少期に本当に食べなかった子が元気に過ごして大きくなっています。食べる量に関して留意すべきことをあえて言うならば、子どもが普段食べられる量というものをママがきちんと把握し、特に食べなかったときや食べる意欲が感じられないときに、体調や健康状態を心配するというスタンスで大丈夫です」と山本さんは話します。
たくさんの食事を必要とする子もいれば、効率よく栄養を吸収できる子もいる
とはいえ、食が細い子を育てているママ・パパが心配になるのも事実。そもそもよく食べる子と、食が細い子がいるのはなぜなのでしょうか。
「食が細いのは性質です。胃袋の大きさ、小腸の腸壁からの吸収率の違いなどによって、たくさんの食事を必要とする子もいれば、少しの食事で効率よく栄養を吸収できる子もいます。食が細いのは育て方が原因ということはありません。ただ、元々食が細い子を、少しの工夫で、食べてみようかな、という気にさせることはできます」と話すのは、フードアナリストのとけいじ千絵さん。そのうえで、小食の子の理由として4つのパターンがあると指摘します。