子どもの立場に立って心をケア。親になると人って変わる

3人の子どもたち
3人の子どもたち

hitomi ホントそうです。先日、娘が思い切って髪をバッサリ短く切りまして。「長いほうが好きだし、ヘアアクセもつけられるから、切りたくない」と言っていたんですけど、まだ自分でちゃんとお手入れができないので、衛生のためにも一度切るということにしたんです。そしたら翌朝、学校に行く前にメソメソし始めて……。

―― 新しいヘアスタイルがお気に召さなくて?

hitomi それが、「髪の毛を切った姿を友達に見せたら、なんて言われるか……怖い」と言い出したんです。加えて寝癖も嫌だったみたいで、かなりブルーだったんです。私にしてみれば、「そんなこと?」と思っちゃいますけど、年ごろの女の子にしてみたら、ちょっとしたことでも大げさに捉えて気にしちゃうんですよね。私も昔そうだったなぁと思い出しながら、朝から娘の話を聞いて寝癖を直して。「これで大丈夫? 他に気になるところはある?」と気持ちに寄り添いつつ、元気づけて送り出しました。親から見て「おいおい、そんな小さなことで悩まないよ」って思うことでも、子どもの立場に立って気持ちをケアすることは大事なのかなと思いました。

 でもね、なんだか「相手の気持ちに寄り添う」とか「相手の立場に立って考える」とか言っている自分に対して笑っちゃうときがあります。昔の独身時代だったら、考えられないので。

―― キレ味鋭く、とがってましたもんね(笑)。 

hitomi ハハ、そうですよ。最近は娘に「学校は集団生活で、自分一人で生きているわけじゃないんだから、『誰かのために』という気持ちを持ったり、周りに迷惑をかけないように気を配ったりしないといけないよ」と言うんですけど、時々自分で「どの口が言ってんだ!?」って思います。「この私が『集団生活とは』を子どもに語ってるよ」みたいな。親になると人って変わるというか、子どもを通して一緒に成長させられていくんだろうなと思います。

子育てに向き合い過ぎると、知らぬ間に疲労やストレスが

―― 3児の子育て真っ只中で、一番大変だなと感じるのはどんなときですか?

hitomi やっぱりパパのいない日の夕方の時間帯ですね。夫は自営業なので、普段からお互い仕事の調整をしながら交代で子どもたちを見ていて、私が夕方帰宅すると同時に、夫が仕事に出かけるためバトンタッチするケースも多いんですね。夕食の下ごしらえができている状態であればスムーズに運ぶんですけど、何の準備もできていない日は大変です。0歳児と2歳児が同時に泣き出して、どちらかを抱っこしながら準備したり、お姉ちゃんに「ちょっとお鍋を見てて」と言う間に急いで野菜を切ったり

 お風呂も、お姉ちゃんの力を借りながら、リレー形式で下の二人をお風呂に入れ着替えさせています。時々、「私は今何をやってるんだっけ?」と目が回ることもあります。下の子が一人で立てるようになったら、だいぶ楽になるんでしょうけど。

―― そんな毎日でリフレッシュできるのはどんなときですか?

hitomi そうですね、まだ誰も起きてこない朝に、一人でコーヒーを淹れて、ゆっくり味わいながらファッション雑誌をパラパラめくる時間は至福ですね。30分くらい経つと一番下の子が起きちゃうんですけど、朝早く目が覚めたときはここぞとばかりに「一人時間」を持つようにしています。心に潤いが出ます。今は週1回持てるかどうか、という感じですが。

 たまにするのは、真夜中に起きたときに一人でお風呂に入り、本を読むこと。もちろん長湯はできませんが。お風呂上がりには全身にクリームを塗って、香りに癒やされます。子育てや家族のことに向き合い過ぎてしまうと、自分の体が置いてきぼりになっちゃうときがあるんですよね。なので、一人になって自分の体と対話する時間って必要だと思うんですよね

 自分ではそんなにストレス抱えてないんじゃない?と思っていても、いざマッサージとか行ってみると「だいぶ体がこわばってますね!」と言われるときもあって。この前はマッサージ師さんに「hitomiさん、頭にツノが生えてますよ!」と言われてしまいました。どうやら知らぬ間に疲労やストレスがたまって、頭皮が盛り上がっていたみたい。自覚症状はなくても、実は疲労がたまっていることもあるので定期的に自分の体の状態を見ることは大切だと思います。家族をケアするためにも、まずは自分が元気でいないと。

 本当は大草原に行って大の字で寝られたらいいんですけどね。実際はできないので、大草原をイメージしながら床に横たわって、「私は何にもとらわれてな~い!」と言いつつ全身の力を抜くと、結構活力は取り戻せたりします(笑)。おすすめですよ。