強制的に自動着信、周囲の音から状況を探る

「お子さんが電話に出られなくても、端末からの音声で状況を探りながら、緊急事態かどうかを判断します」と言う八記司令
「お子さんが電話に出られなくても、端末からの音声で状況を探りながら、緊急事態かどうかを判断します」と言う八記司令

 センターに緊急通報が届いたら、オぺレーションセンターの担当者が、子どもの位置を確認しながら「何がありましたか」と、子どもが持つ端末に電話をかけます。変な人が近くにいることが分かったら「近くに助けを求められるような大人がいないか」「駆け込めるコンビニがないか」とアドバイスすることもあるそうです。

 マモリーノの場合、子どもが操作しなくても自動着信になることがポイントです。「セコムからの電話は必ず着信になるので、子どもが脅されていたり、怖い思いをしたりして電話に出られない場合でも、お子さんの周囲の音声がこちらに聞こえます(ミライエには、この自動着信の機能はありません)。オペレーションセンターでは、その音声で状況を探りながら、緊急事態かどうかを判断します。保護者と3者通話もできるので、お子さんが話している声を保護者に聞いていただくこともできます」(ココセコムオペレーションセンターで司令を務める八記広史さん)。

 子どもへの電話と同時に、万一の緊急事態に備えて緊急対処員が出動。さらに、パパママにも電話をかけて「こういうことがありました」と報告し、緊急出動を続けるかどうかを相談します。パパママが現場に行けないといった理由で「現場に行って欲しい」と要請された場合は、緊急対処員がそのまま現場に急行します。パパママと連絡がつかないときも、緊急事態を想定して子どものもとに駆け付けるそうです。

「保護者とご相談をしながら最適な方法をとっています」と言う鳥本センター長
「保護者とご相談をしながら最適な方法をとっています」と言う鳥本センター長

 オペレーションセンターのディスプレイでは、子どもの位置や、子どもが移動する軌跡が表示されます。特に、子どもが自転車や電車、バスで移動しているときは、軌跡の表示が役に立つそうです。「現場でお子さんを捜すときは、この位置情報が最も重要です。でも、それだけでは特定のお子さんは探せません。そこで、保護者に洋服や髪型の特徴、ランドセルの色などを伺い、これらを手がかりにお子さんを見つけます。無事見つけ出したら、周囲に不審者がいないか確認しながら、お子さんと一緒に帰宅。部屋に入るまでを見届けるケースもあります」(八記司令)。

 発見後、保護者が迎えに来たり、保護者が合流して一緒に家まで帰ることもあるそうです。「すべて安全第一。保護者とご相談をしながら最適な方法をとっています」(ココセコムオペレーションセンターでセンター長を務める鳥本功さん)。

 緊急対処員はパパ社員も多く、お子さんには決して威圧感を与えないように、そして「心配しなくていいよ」などと優しく話しかけるように意識しているそうです。オペレーションセンターの担当者も、日頃から、子どもにやさしく話しかける訓練をしているそうです。「警備業法で定められた訓練以外に、毎月テーマを決めて、過去の事例を使ったケーススタディを実施して、お子さんから上手に話を聞き出すための訓練を重ねています。サービス開始は2001年なので15年以上に及び、過去の事例は非常に豊富。貢献事例数は約8200件にも及びます。過去の事例やノウハウが多いことがココセコムの強みです」(八記司令)。

位置情報と、洋服や髪型の特徴、ランドセルの色を手がかりに子どもを見つける。子どもには決して威圧感を与えず、「心配しなくていいよ」などと優しく話しかけるように意識している
位置情報と、洋服や髪型の特徴、ランドセルの色を手がかりに子どもを見つける。子どもには決して威圧感を与えず、「心配しなくていいよ」などと優しく話しかけるように意識している

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