今年も4月を前にして、各自治体で入園に関する準備が始まっている。無事に入園手続きがすんだ家庭が次に直面するのは、子どもの病気だろう。今回は、自治体が運営している病児・病後児保育の施設充実度を調べてみた。平日の定員数、実際の使いやすさ(利用可能率)を独自に調査し、街ごとにランキングした。この春、子どもを入転園させる家庭は参考にしてほしい。

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 朝起きたら急に子どもの体調が悪くなっていて、パパもママも急には会社を休めない。親も遠くに住んでいて頼れず、大事な会議も午前中に入っている。一体、どうすればいいの!?

 こんな冷や汗もののシーン、共働き家族にとっては珍しくないだろう。そして、保育園に登園できない病気の子ども(病児、病後児)を預かってくれるのが「病児・病後児保育」だ。

定員数が1ケタしかない…ほとんど「満席」で使えない

 しかし、病児・病後児保育の定員数は限られているため、病気が流行するシーズンでは「すぐに満席になってしまい、朝入れる予約電話も1秒を争う大変な騒ぎ」(36歳、2児の母)というのが事実だ。

 そこで日経DUALでは、各自治体が運営する病児・病後児保育の最大収容人数(1日の通常定員数)を調べてランキング。さらに、その街の保育所定員数(認可・認可外園合計)で割り、「利用可能率(%)」をはじき出した。その街の病児保育の使いやすさを表すランキングとして参照してほしい。

病児・病後児保育は、共働き親にとって“頼みの綱”だ
病児・病後児保育は、共働き親にとって“頼みの綱”だ

【調査について】

・調査名:「自治体の子育て支援制度に関する調査」
・調査対象:首都圏(東京・神奈川・埼玉・千葉)、中京圏(愛知・岐阜・三重)、関西圏(大阪・兵庫・京都)の人口15万人以上の主要市区と全国の政令指定都市、県庁所在地の合計162自治体
・実施期間:2016年9月~10月
・回答数:147自治体

【東京】の病児・病後児保育の最大収容人数(1日の通常定員数)
【東京】の病児・病後児保育の最大収容人数(1日の通常定員数)

 病児・病後児の1日の通常定員数は、世田谷区が1位で67名、練馬区が2位で50名、3位が葛飾区で36名となった。一方、渋谷区は2名、北区や台東区などは4名と、非常に少ない枠しかない自治体があることが分かった。

 次に、「利用可能率」のランキングを一覧する。<病児枠÷保育所定員数>で計算して、園児1人当たりの病児保育を使える率をはじき出してみた。

【次ページからの内容】
日経DUAL独自調査による、最新・保育園情報
■病児枠の多さ、使いやすさ「病児・病後児 充実度ランキング」発表!
■東京都、園児1人当たりの「病児枠」は、最大0.7、最低0.06
■東京、神奈川、千葉、埼玉、大阪、京都、兵庫、奈良…エリアごとの「最大収容人数」と、「利用可能率」一挙公開!