初期の30組のご家族は着実に資産が増加、顧問FPサービスの契約の更新率は90%超

――まさに人生そのものの伴走者というスタンスが、証券会社や他のFP会社と一線を画しているという印象です。そもそも中桐さんが今の事業を始めた動機はなんだったのでしょうか?

 私は大学卒業後、山一證券に入社し、個人向け営業を担当していました。売りたい商品をアピールする飛び込み営業をしながら、「あまりお客さんに喜ばれていないな」とくすぶる思いを抱えていた矢先、入社半年で会社が破たんし、多くの同僚と共に当時日本に個人向け営業をローンチしたばかりだったメリルリンチ日本証券に転職しました。本国のアメリカで成功していた「個人のお客様の家族構成や希望に添った投資を提案する」という姿勢に共感でき、ファイナンシャルコンサルタントとしてキャリアを築いていきました。

 一方、時代はITバブルに突入し、短期投資で利益を上げたいというニーズも増えてきました。ご希望に応じてそのお手伝いもしていましたが、ITバブルがはじけた途端、慌てて売りに転じて損をする方が少なくありませんでした。売買が頻繁に生じることで会社自体は儲かったのですが、目の前のお客さんは悲しんでいる。もっとどうにかできなかったのか。悶々としているうちに米国同時多発テロが起き、その後の日本国内での不振もあってメリルリンチは個人向け営業から撤退することになりました。

 この節目で、私は「資産運用のプロとしてイチから学び直したい」と一念発起し、28歳で早期退職を決めて退職金を元手に米ボストンのブランダイズ大学に留学することを決意しました。資産運用の先進国であるアメリカでは多くの学びがありました。MBAを取得する上での経営学の学びももちろんありましたが、たまたま大学の目の前にあった会社が独立系FP法人に証券システムなどのプラットフォームを提供している会社で、インターンをしていた知人を通じて何度か見学にいくうちに「日本でも独立系FP法人という事業を始められたら」という夢を描くようになりました。

 帰国してほどなく2004年に日本でも金融商品仲介業が事業として認められるようになったというタイミングに恵まれ、ガイアを設立したのが2006年。社名の「GAIA」は「グローバル・アセット・インデックス・アロケーション」の頭文字から。私はもともと父の仕事の関係で小中学時代をドイツやイタリアで過ごしていた経験もあって、世界を俯瞰して見る視点を大事にしていきたいと考えてきました。

 日本は長らく低金利が続いていますが、世界に目を向ければ7%利回りの長期投資というのは可能ですし、選択肢は豊富にある。世界を視野に入れながら長期で投資していこう、という思いを社名に込めました。

――創業当時の反応はいかがでしたか?

 苦労しました。そもそも資産運用をプロに相談するという文化がない日本で、無名の看板でのスタートでしたから。当初は日本橋のマンションの一室で、私とホームページなどを作るデザイナーの2名だけで立ち上げた会社でした。ワインと組み合わせたセミナーなどもやりましたが、お客さんはなかなか来てくれません。

 貯金も底を尽きかけて、「もう続けられないかもしれない」と諦めかけた最後の賭けとして出したのが先述の本です。創業パートナーのデザイナーに誘われて参加した出版関係者のパーティーで知り合った方が、私のブログを見てくれて、出版を決めてくれたという経緯なのですから、何がどう転ぶか分かりません。

 結果は吉と出て、初の著書というのに3万部も売れました。本を読んで私の思いに共感してくださっている方が訪ねてくださるようになって、契約がどんどん決まっていきました。まさに起死回生の一発でした。

 以後、とにかく信頼関係を第一に、長く付き合えるプロとして選んでいただけるよう工夫を重ねてきました。年間3万7800円(税込)をいただく顧問サービスのほかにも、5400円(税込)/回で気軽にご利用いただける積み立ての個別相談も導入しましたし、昨年には、アメリカで主流の、預かり残高に連動した手数料(フィーベース)方式のサービスもスタートしました。これによって、お客様から預かったお金が運用成果で増えることによって私たちの報酬も上がっていくことになりますので、よりお客様の利益に貢献していけるはずです。

 このような工夫を重ねながら、お預かりした資産は着実に増やしています。先ほど申し上げた創業当初から積み立て投資を続けてくださっている30組のご家族は、着実に資産が増えています。年間顧問FPサービスの契約の更新率が90%超という実績は、とてもありがたいですね。

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