【あなたはどんな親?】中学受験で大切なのは親の客観視
中学受験は親のサポートがなければ成り立たない受験です。塾選び、志望校選び、毎日の学習管理、テストの振り返り、塾の送迎など、親がやるべきことはたくさんあります。それは親にとっても負担が大きいものです。
ですから、頑張っている親御さんほど、「なんとか成績を上げなければ!」と必死になってしまいます。
「でも、中学受験で大事なのは親の冷静さです。それにはまず、親御さん自身が自分を知ることです」と小川先生。
セミナー会場では、親の性格を4つに分類するセルフチェックシートが配られました(有料セミナーのため、非公開)。セルフチェックには26の質問があり、例えば「積極的」←→「消極的」、「だらしない」←→「きちんとしている」、「主導権をとる」←→「人に従う」など親である自分がどちらかというと当てはまると思われるほうに○をつけていきます。
すると、大きく以下の4つのタイプに分かれます。
「これは、親御さん自身が自分はどういうタイプの傾向を持つかを知るためのもので、どのタイプが良いか悪いかを言っているのではありません。どういう癖があるか、どういう面を良く使うかという違いを知るためのものです」
「タイプ分析は、日ごろお子さんのサポートをするお母さんだけでなく、お父さんもやってみてください。また、おじいちゃん、おばあちゃん、きょうだいなど、受験生であるお子さんの周りにいる人たち全員をチェックしてみましょう。こうして、お子さんが家庭でどんなサポートを受けているのかを客観視してみるのです」
「そのときに要注意の組み合わせがあります。例えば、両親が『支配型』×『分析型』の組み合わせのときです。支配型タイプは強制力が強いため、その子どもは身動きが取れなくなりがちです。そこに分析型タイプが、ネットの情報などを子どもに当てはめようとします。今これをやらせなければダメだ・・・とネガティブになり、何でもやらせようとしてしまうのです。こういう状況になってしまうと、うまくはいきません」
「そういうときに良い方向へ導いてくれるのが、周りの家族や塾の先生などです。2つのタイプと違う人たちが関わることによって、親も自分自身を客観視できるようになります」
「人の性格はそう簡単には変わりません。それはその人の個性ですから、持ち味を消す必要はないのです。でも、その個性が子どもにとって良い方向へ働かないときは、第三者に助けてもらうのも手。こうやって、お子さんをサポートするメンバーを整え、お子さんを中心に受験勉強を進めていくことが大事なのです」
西村先生はこう言います。
「実は私の著書に『中学受験は親が9割』(青春出版社)という本があります。おかげさまでたくさんの方に読んでいただいていますが、このタイトルを見て勘違いしてしまう方が多いんですね。『中学受験は親が9割か・・・。私が頑張らないとダメなんだわ』と。でも、それは違います。正しくは『親を中心とした家庭環境が9割』なのです。ですから、親御さんは自分だけで抱え込まないで、もっと周りを巻き込んでください」