「学ぶ力」は、大人にこそ必要
28歳のときに会社を作った。未熟で思いつきで、最初の数年は予備校講師や下請けライターの仕事と並行しなければ食えないほど、稚拙なものだった。塾業界以外のことは何も知らず、読書やセミナーで学び続けた。実践を重ね、信頼を築き、安定した収入が得られても、学ぶことを止めるとIT社会の中ではあっという間に置いていかれる。中小企業向けの広報代行をメーンの業務にしていたため、クライアントの業種ごとに勉強が必要だった。当時の自分を、そして身近なプロフェッショナルたちを見ていて思う。
「学ぶ力」は、大人にこそ必要だ。
アメリカのロックバンドKISSを成功させたジーン・シモンズ氏が書いたビジネス書『KISSジーン・シモンズのミー・インク』を読んだことがある。堅実そのものの内容と、ロックスターのイメージとのギャップはともかく、突き付けられたこの一言にしびれた。
「自分を教育しろ。大人の義務だ」
子どもは大人が教育する。発達段階に応じた課題を与え、そこまで押し上げる。学びやすいように、支援もする。しかし、大人は自ら学ばなければ緩やかにダメになる。最近、学びのために読んだ本、出かけた場所、聴いた話を思い返してほしい。本を読むスピード、観察力、人の話を集中して聞く力のどれも、続けていないと圧倒的に力が落ちる。自分で自分を鍛えなければ、新たなことを学ぶときの「めんどくささのハードル」は上がる一方だ。
「学ぶ力」があることは、職や時代が変わっても大丈夫という自信をくれる。自営業から学校現場に行ったときも、質問をし、メモを取り、本を読み、観察し、全身をアンテナにして学び続けた。この一年も、新たな部署で世界を広げている。
次ページから読める内容
- 子どもの学ぶ姿勢を育てるコツ
- 学ぶということは、「未熟な自分」を素直に認めること
- 知りたがり屋になろう!
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