興味を持った1つのテーマから展開し、知識を深める

<知識マップを作ってみよう>

 「知識マップ」は自分が好きなテーマから「知りたいこと」を展開し、知を広げ深めていくのにぴったりの方法です。ぜひ親子で紙に書いてみて、子どもの知的好奇心を「見える化」してみてください。

 知識を深めることを覚えておくと、色々な学びの場面で応用ができるようになります。記憶だけの勉強では、記憶のキャパシティーを超えたときに、うまくいかなくてやる気がなくなってしまいます。

 例えば、小学校の理科の授業でおしべとめしべが出てきたときに、ただその名前や役割を覚えるのではなく、受粉のプロセスをストーリーとして捉え、知っている知識とつなげて理解していけるようになると、勉強も楽しくなっていきます。まるで脳のシナプスがつながるように、思考力、想像力を楽しむことを「学びの方程式」として身に付けられると、勉強そのものにもポジティブなイメージを持つようになるでしょう。

 知を深めるために、日常生活の中でできることはたくさんあります。何かをするときに「あらかじめテーマを決める」ということもその1つ。お散歩に出かけるときは、ただ歩くのではなく「今日は春のお花を見つけに行こう!」とテーマを決め、ポケット図鑑を片手に出かけてみる。動物園に行くなら、ただ動物の名前を覚えるのではなく、「シマウマの耳の裏はどんな模様なのだろう?」と具体的な疑問を持ち、シマウマが実際に耳の裏を見せてくれるまで柵の前でじっくり観察してみる。

 こうして、あらかじめテーマを決めておくと、子どもなりに「これかな?」「こんな感じかな?」と想像を膨らませることができます。そして、実際にそれが分かったときの喜びの気持ちを繰り返し経験することで、「知を得て深めること」=「勉強すること」が楽しい!という気持ちにつながっていきます。

 「小さいうちから勉強を無理やりやらせて、嫌いになってしまうと困るなぁ」と思われることがあるかもしれません。でも、子どもは順応性が高いので、「すべてにおいて否定されている、認めてくれない、対話ができない」などということさえなければ、勉強に意欲を失ってしまうことはあまりありません。

 「生活リズムを整え、ごはんをきちんと食べる」という基本的な生活を整えられていれば、「ちゃんと決めたことはやろうね」「一緒に覚えてみよう」「一緒にやってみようよ」という声かけも、子どもにとってそんなに嫌なことではありません。どうぞ怖がらず、自信を持って取り組んでくださいね。

 そして大切にしたいのが、子どもの小さな学びを認める習慣です。子どものやる気を育むためには、間違っているかいないかではなく、子どもの「知ってる!」をどれだけたくさん聞いてあげられるかが大事です。もちろん大人にとっては当たり前で知っていることがほとんどだと思いますが、「へぇ~、そんなこと知ってるんだね!」とぜひ認めてあげてください。逆に、大人がついうっかり言ってしまう「何で(そうしたの)?」「何度言ったら分かるの?」という問いは、子どもにとっては答えようがなく、やる気をなくしてしまいますから「本当はどうしたかったの?」「どうしてほしかったの?」と聞けるようになりたいですね。